【C-HR対ハリアー含む6対決!】 小さいクルマが大きいクルマに勝つのか!? 

■ホンダ S660対NSX(文:清水草一)

 S660が218万円(α)で、対するNSX2370万円。価格差は10倍以上だが、だからこそこの勝負、S660の圧勝と断言したい!

 第一に、NSXは実質的に「買えない」。納期はどれくらいかという問いに対して、ホンダの公式サイトは「米国の専用工場での完全受注生産となり、お客様のお選びになる装備や受注状況にもよるため、一律でのお答えは難しい状況です」。まったく見えないってことですね。中古車はあるにはあるが、新車より高い。

 対するS660は現在なら3カ月待ちくらいで買えるし、中古車なら即買える。相場もこなれてきていて、150万円くらいから探せます。

 走りの楽しさも、値段を考えたらS660だ。なにしろアクセル全開にできますから! 全開にしても「遅い……」と思う瞬間も少なくない。でも走りは間違いなくスーパーカー! こんなスーパーカーはほかにない! 世界で唯一ですぜ!

 対するNSXは全開にできるのは数秒が限界。現在のスーパーカーすべてがそうだが。もうそういうのってつまんないよ! と個人的には思う。

 操縦性は似ている(笑)。どっちも物理法則を超えて曲がる感覚がある。ただS660のそれは自然。素性のよさとタイヤの性能で想像を絶するほど曲がる。NSXは電子制御のカタマリでどこか違和感が。リアが滑ってカウンター当てるとそっちへ行っちゃうし。四駆なのでしかたないが。

 デザインもS660のほうがだんぜん上。NSXはダサすぎる。とにかくコスパを考えたらS660の大圧勝だ。

結論:S660の圧勝

ホンダ  S660 α 218万円、NSX 2370万円

■トヨタ カムリ対クラウン(文:清水草一)

 新型カムリの評判がいい。これはもうクラウンはいらないんじゃないか! ということで、同じハイブリッド同士で比較してみました。

 まず値段。カムリは「G」が349万円。クラウンはHVのアスリートGで584万円。この価格差を押さえておいてね。

 ハイブリッドシステムは、どちらも直4の2.5L+モーターだけど、カムリのほうが新しいだけに改良されていて、ECOモードじゃないかぎりとってもレスポンスがいい。パワーモードにすると真剣に「速い!」と感じられる。対するクラウンは、そこらへん従来のまんまなので、カムリには及ばない。カムリの勝利だ!

 デザイン。カムリは言わずと知れたビューティフルモンスター。フロントグリルの樹脂がちょっと安っぽいが、リア周りは斬新で進歩的な雰囲気が漂う。

 対するクラウンもアスリートだと、逆クリスマスツリーグリルが斬新ながら、「クラウン」という保守的な空気感がその斬新さをはるかに上回り、「あ、クラウンに乗ったオッサン」と、先入観で判断されてしまう可能性が高い。ここでもカムリの勝利である。

 乗り心地や静粛性。これはさすがにクラウンの勝ちだ。カムリは北米のカローラなのでそれほど快適性や質感は高くない。しかし居住性ではFFのカムリが上。センタートンネルもないし。

 値段が150万円くらい違うことを考慮すると、いろいろな意味で、現時点ではカムリのほうがお買い得であることは間違いなかろう! パンパカパーン。

結論:カムリの大勝利

トヨタ クラウン アスリートT  396万3600円
トヨタカムリ X  329万4000円

■BMW M2クーペ対M4クーペ(文:BMW)

 M2クーペに乗るまでは、M4クーペのほうがスゴイに決まっているじゃないか、と思っていたよ。

 M4クーペはデビュー時の海外試乗会で、サーキットも欧州路もカッ飛んだことがあるから、あの時の感動が忘れられないしね。

 カーボンファイバーのルーフを持ち、それらによって重心高が下がり、リアサスペンションはボディに直付けという、レーシングカーを製作する時の手法が取り入れられているのだ。それでいて、乗り心地はそれほど悪くないし、デートカーとしても使えるエレガントな一面も備える。

 サーキットでは、直付けサスペンションのリアのスタビリティが高く、自律直進性がバツグンで、コーナリングでは前後のサスペンションがしっかりとストロークして、路面に吸い付いているかのよう。ハンドリングも、コーナー進入のターンインで狙ったラインにステアリングを切り込むと、修正舵が要らないほどに安定してライントレースする。そして、ゆっくりステアリングを戻しながらアクセル全開。

 とにかく、M4クーペはM3セダンと並んですばらしいサーキット走破性を披露してくれた。エンジンは直6、3Lツインターボで450ps。申しぶんないすばらしいレスポンスとパワーだ。

 対するM2クーペは直6で排気量も同じながらシングルターボ。370psは見劣りする。しかし、オーバーブースト機能を備え一時的に51.0kgmの高トルクを発生。M4クーペに対して60kg軽く、なによりも日本の道路環境にピッタリくる身の丈サイズだ。

 サーキットはともかく、峠のワインディングではM2クーペのほうが絶対に気持ちよく走れる。M4クーペに比べたら硬派なM2クーペだけど、スパルタンなキャビンがデートカーとしては逆にいいかも。

結論:M2クーペの勝ち

BMW M2クーペ 777万円、M4クーペ1157万円

次ページは : ■ポルシェ 718ケイマン対911(文:松田秀士)

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