「チャレンジを表現したコンセプトカー」。レクサスのプレジデントを務める澤良宏氏は、東京モーターショーで世界初公開された「LS+コンセプト」を、そう表現する。
そこには「自動で運転する車」ではなく、「人の意のままに動く車」の未来が示されていた。
文:ベストカーWeb編集部/写真:編集部
新型LSの「さらに次期型」が早くもコンセプトカーに!
10月25日、東京モーターショーでLS+コンセプトが世界初公開された。「フラッグシップセダンLSの将来像を示唆」とレクサス自身が表現するとおり、次期LSのコンセプトモデルだ。
レクサス LSは、新型が10月19日に発表されたばかりだが、その僅か1週間後に、さらに次期型のコンセプトモデルが早くも公開されたことになる。
実車を見ると、ボディラインは発売されたばかりの新型LSにかなり近いものの、フロントマスクはLC的で、アグレッシブな印象。
ただ、細部を見ていくと、「ドアミラーがない? と思ったら、電子アウターミラーが搭載されていた」といったように、随所に新しさが散りばめられている。
でも、なぜ新型が出たばかりなのに、もう次のモデルの“種明かし”をするのか? その疑問を解く鍵は「2020年」というキーワードにある。
「自動運転」はドライバーが意のままに車を操るための道具に過ぎない
このLS+コンセプトの発表会で、あるムービーが流された。内容は、トピックでもある自動運転に関するもの。
自動運転というと、ドライバー要らずの楽々デバイスというか、どこか無機質で、楽しみを奪うものをイメージするが、このムービーには、それとはまったく違う未来が映っていた。
主人公は高速道路の走行車線を走る1台の車。ドライバーが「今まさに他の車を追い越したいな」と感じるような場面で、車側から「車線変更しますか?」という音声が流れてくる。ドライバーは「イエス」と答える。
しかし、この段階ではまだ「自動車線変更」をしない。ドライバーが目視で右後方の追い越し車線を直接確認した後、車はスムースに自動車線変更をおこなった。
機械が優先ではなく、あくまで人の意志に基づいて、車が動く。ドライバーが「そうしたい」と思った時に、車がその意志を汲み取って、次の動作を、ドライバーと一緒に組み立てていく。
近頃、「自動運転」やら「人工知能」といった無機質で分かりづらい言葉ばかりが先行して、正直「何ができるのか」が見えづらく感じていたが、ようやく「何がしたいのか」の一端が見えてきた。
ちなみに、このLS+コンセプトで実現できる自動運転の機能として挙げられているものは次のとおり。
・自動車専用道路の入口ランプから出口ランプまでの自動走行
・自動車専用道路での合流、レーンチェンジ、車線・車間維持、分流
◆ ◆ ◆
日本では国の方針として、2020年までに「限られた状況だけ、車が加減速やハンドル操作をする段階」の自動運転を実現しようとしている。
レクサスに限らず、多くの自動車メーカーが、目玉のコンセプトカーに「自動運転」、「AI」という言葉を使っている背景にはそういう理由がある。
でも、それは何でも車がこなす“完全自動運転”ではない。
「自動運転は、人が意のままに車を操るための機能。これからも車は、人がより自由に、楽しめるための乗り物であってほしい」。LS+コンセプトには。レクサスのそんなメッセージが込められているように映った。
■LC+コンセプトの動画
(YouTube/TOYOTA公式chより)
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