ホンダコンチェルト
販売期間:1988~1992年
1980年代から1990年代にかけて、ホンダはイギリスのブリティッシュレイランド、これに続くローバーグループと提携していた。
両社で共同開発したのは、実用的なファミリーカーである。いくつかの作品を生み出したが、XYプロジェクトの結晶として1988年6月にベールを脱いだのがコンチェルトだ。
この1年後にはイギリスでもアクレイム、ローバー200の後継モデルとして発売されている。
ベースとなったのは、グランドシビックと呼ばれた第4世代のシビック4ドアセダンと専用設計の5ドアハッチバックだ。
エクステリアはシビックより大人っぽいデザインとし、外板パネルはローバー専用とした。
優雅な6ライトウィンドウを採用し、全長もシビックより185mm長い。トランク部分を延ばしているからシビックより伸びやかに見える。
5ドアモデルはリアに短いノッチが付く。インテリアはシビックに準じたデザインだが、木目調パネルなどで華やかさを増し、後席にも3点式シートベルトを装備した。
エンジンは1.5Lと1.6Lの直列4気筒SOHC4バルブで、キャブ仕様と電子制御燃料噴射装置仕様がある。
トランスミッションは5速MTと4速ATを設定した。FF車だったが、1988年にはビスカスカップリング式のフルタイム4WDを加えている。
ホンダ流のバンデンプラプリンセスだったから、こだわり派のアダルト層を中心にファンを増やした。
が、一代限りで姿を消し、1992年秋にドマーニにバトンを託している。ダウンサイジングに目を向ける人が多い今なら、ウケたはずだ。
三菱ミラージュ6
販売期間:1991~1995年
三菱の主力モデルとなっていたミラージュは、1991年秋にランサーとともにモデルチェンジし、オーバルシェイプの美しいボディに生まれ変わった。商品コンセプトは「虚飾を廃したシンプル&リッチな次代のベーシックカー」だ。
ボディタイプも整理し、3ドアのハッチバックと4ドアセダンに絞っている。4ドアセダンは3ドアよりホイールベースが60mm長く、先代より全長も長い。
ディーゼルやキャブ仕様もあるが、主要グレードのエンジンはDOHCD4バルブ化された。1.5Lと1.6Lエンジンを用意するが、業界を驚かせたのは世界最小のV型6気筒DOHC4バルブエンジンをラインアップしていたことだ。
サイクロン6と呼ばれた6A10型エンジンは排気量1597ccで、ミラージュとランサーの4ドアセダンに搭載された。バブル期ならではの大胆な戦略と言えるだろう。
精緻でスムースなパワーフィールに驚嘆したが、排気量が小さいためトルク感は乏しかった。そのためパンチがないように感じられる。
案の定、販売は低迷した。次の世代にもV型6気筒エンジンは用意されたが、排気量を1.8Lへと拡大している。今の時代の感覚では考えられないほど贅沢なマルチシリンダーエンジンだ。今なら当時以上にセンセーションを持って迎えられたはずである。
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