ハードが同じならソフトのみでアップデート可能
今回のトヨタの既存の自動ブレーキ装着車のソフトウェアのアップデート(パソコンのソフトウェアに更新にも近い)による性能向上も同じ話で、簡単に言えば「ハードウェアが同じなら、ソフトウェアの変更で現在売っているものと同等の性能にする」ということだ。
具体的には前述したように歩行者には対応しなかったのが、ソフトウェアのアップデートにより昼間に限るものの、歩行者にも対応するようになる。
対象となるのは歩行者には対応していないトヨタセーフティセンスCを装着するアクア、ヴィッツ、10月中にアップデートされたソフトウェアが発売されるノア三兄弟、シエンタ、11月にアップデートされたソフトウェアが発売されるポルテ&スペイド、プロボックス&サクシード、ジャパンタクシーだ。
アップデートにはディーラーでの作業が必要で、費用はアップデートされたソフトウェア代4180円+取り付け工賃だ。
アップデートされたソフトウェアを持つ旧トヨタセーフティセンスC装着車の歩行者に対応する性能は未知数かもしれない。しかし、昼間に限るとしても歩行者との事故の確率が減少するのは間違いない。
何よりも前向きな活動であり、それが非常に安い価格で行えることが嬉しい。こんなことも最近元気なトヨタを象徴する動きのようにも感じる。
ボルボはソフトウェアのアップデートに積極的
安全装備以外も含めたソフトウェアの性能向上は技術的には可能でも、自動車メーカーが行う場合には大きな責任が伴うこともあり、残念ながら実例は多くない。
その中で積極的なのはボルボである。
安全装備では2016~2018年モデルの90シリーズ(S90、V90、V90クロスカントリー、XC90)に盛り込まれる内容を、ソフトウェアのアップデートでグレードアップするというものがある。
ボルボのアップデートサービスは以下のとおりだ。
(1)ランオフロード・ミティゲーション(道路逸脱回避支援機能)
道路外に逸脱するようなステアリング操作が行われた際に、ステアリング操作と場合によっては元の車線に戻すためのブレーキ介入を行う。
(2)ステアリング・アシスト付BLIS(後車衝突回避支援機能付ブラインドスポット・インフォメーション・システム)
斜め後方を監視するBLIS作動中に車線逸脱や進路変更により隣車線を走行するクルマと接触する危険がある際に、ステアリングを修正し、衝突回避をアシストする。
(3)オンカミング・レーン・ミティゲーション(対向車線衝突回避支援機能)
対向車との正面衝突の恐れがある際、ステアリング操作を補い衝突回避をアシストする。
(4)City Safety対向車対応機能
自車線に侵入してきた対向車との正面衝突の恐れがある際、自車のブレーキを作動させ被害を軽減する。
というようにその内容は多岐にわたるので、アップデートにはディーラーでの作業が必要となる。
価格は(1)~(3)のセット、(4)がそれぞれ9288円(消費税、取り付け工賃別)と、内容を考えれば非常にリーズナブルだ。
なおボルボのソフトウェアのアップデートによる性能向上では、コンピューターチューンによるパワーアップ&性能向上である「ポールスター・パフォーマンス・ソフトウェア」(20馬力程度パワーアップすることが多い)も人気だ。
こちらは多くのモデルに対応している上に、メーカー保証が継続されるのもありがたく、価格は18万7521円+取り付け工賃と、非常にリーズナブルだ。
コメント
コメントの使い方