今やクルマはパソコン並みに細かく進化している。特に先進の安全装備などは、ソフトウェアひとつで性能が大きく変わるケースも多い。
パソコンやスマートフォンでは、OS、アプリなどを新しくなるとその都度アップデートするのは常識となっているが、クルマではまだ普及はしていない。
日本の自動車メーカーでは、トヨタは既存の自動ブレーキ装着車のソフトウェアのアップデートによる性能向上が可能になっているが、そのほかのメーカーはどうなのか?
本稿ではトヨタのソフトウェアのアップデートによる自動ブレーキの性能向上の詳細を紹介し、ソフトウェアのアップデートによる安全装備の性能向上も考察していく。
同時に自動車メーカーが積極展開している、後付け安全装備の現状を通して、どのメーカーが充実しているのかについて見ていく。
文/永田恵一、写真/TOYOTA、HONDA、SUBARU、VOLVO
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トヨタの自動ブレーキのアップデートサービス
アップデートの対象となるのは、以前トヨタセーフティセンスCと呼ばれていた、自動ブレーキを作動させるための情報収集源というハードウェアにレーザーセンサーと単眼カメラを使う比較的シンプル、低コストなものである。
以前トヨタセーフティセンスCと呼ばれていた自動ブレーキは、自動ブレーキが作動する対象は車両だけで、歩行者にも対応するものが増えている現在においては性能に不満を感じるのは否めない。
トヨタセーフティセンスCと呼ばれていた自動ブレーキは現在名称をトヨタセーフティセンスと変え、従来同様にアクア、シエンタ、ノア三兄弟などに装備されているのだが、いつの間にかここ2年ほどで昼間に限るものの、歩行者にも対応するようになっている。
これはハードウェアはそのままで、ソフトウェアの変更によるものだ。
現在のクルマはコンピューターが多数使われているため、購入後のサービスキャンペーンなど(国土交通省へ届け出した上での性能や品質改善のための改良、広い意味でのリコールの1つ)で「ソフトウェアのアップデート」が行われることがある。
その一例として10年ほど前に、アメリカで販売されるレクサスGX460(日本のランドクルーザープラドのレクサス版)のVSCが、「ある条件下で作動しない」という指摘がアメリカで権威あるコンシュマーレポートというメディアのテストで発表され、レクサスGX460のVSCのソフトウェアがリコールでアップデートされたことがある。
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