テスラのアップデートはパソコン的手法
もう1社ソフトウェアのアップデートによる安全装備の性能向上に熱心なのがテスラだ。
ただテスラのソフトウェアのアップデートは本当にパソコンと同様で、ディーラーに持ち込むことなく、クルマとメーカーのコンピューターとの交信で行われる。
これは便利な反面、IT業界でいうハッキングのようなことに遭うリスクがあるのも事実だ。
テスラのソフトウェアのアップデートによる性能向上は把握できないほどあるのだが、安全装備ではハンドル操作をアシストする速度域の拡大が代表的だ。
ソフトウェアのアップデートによる性能向上は技術的にはいろいろなことが可能だが、トヨタやボルボのようにディーラーでの作業を伴った上で、可能な範囲で安全装備の機能向上を進めていくというのが当面は現実的なところだろう。
後付け安全装備が充実しているのはどのメーカー?
自動車メーカー純正の後付けの安全装備というのは、主に「間近にある壁などの障害物を検知するソナー(超音波)センサーを前後に加え、障害物を検知した際に誤ってアクセルを深く踏んでも加速を抑制する」、ペダル踏み間違い時の加速抑制機能が大きい。
後付け安全装備の導入が早かったのはトヨタとダイハツだったが、ここ数カ月で日本の他メーカーも導入を始めており、その状況は表のようになる。
メーカーによる違いとして挙げられるのは主に駐車場など以外での機能、価格、対応車種の数だ。
表を見てわかるとおり、自動車メーカー純正の後付け「ペダル踏み間違え加速抑制機能」が充実しているのは、前述の自動ブレーキのソフトウェアのアップデートによる性能向上も含めトヨタである。
トヨタは前進時と後退時の急加速を抑制する「踏み間違い加速抑制システム」と、そこに低速走行時に誤ってアクセルを深く踏んだ際の加速を抑制する機能が加わる「踏み間違い加速抑制システムII」の2つがある。
IIでは機能が充実して価格は安くなっているのに加え、対応車種は自動ブレーキの類がないアリオン&プレミオ、2代目ウィッシュ、先代プリウス、SAI(11月発売)、先々代クラウン(来年1月発売)など16車種と多く、かつユーザーの年齢層も考慮した設定となっている。
さらに2020年7月1日発売以降のプリウスのディーラーオプションに、プラスサポートと呼ばれるイエローのキー(1万3200円)がある。
このキーを使うと障害物がなくても誤ってアクセルを深く踏んだと思われる際には急加速を抑制し、暴走による事故を防止できる可能性が生まれる。
これだけいろいろんなことをやっているのだから、「後付け安全装備が充実していているのはトヨタ」と言わざるを得ない。
トヨタの後付け安全装備に強いて難を挙げれば、レクサスへの対応がないことだけだ。
トヨタ以外メーカーのこの種の後付け安全装備は、今後の機能向上、対応拡大、低価格化に期待したいところだ。
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