■打倒N-BOXへ! 独自開発のフルハイブリッドで活路を開くか!?
タントは今後さらなる攻勢強化を予定している。2021年末にもビッグマイナーチェンジし、内外装のデザイン変更、使い勝手の向上、クオリティアップ、追加モデルの設定で商品ラインアップを強化する予定である。
追加モデルの設定で注目されるのは軽自動車初となる「フルハイブリッド車」の設定である。モーターアシスト方式のマイルドハイブリッドはスズキ、日産、三菱自動車がすでに発売しているが、EV走行可能な「フルハイブリッド」はまだ発売している軽自動車メーカーは存在しない。
「マイルドハイブリッド車ならいつでも投入できる状況にあるが、先行各社が存在するので売りにならない。フルハイブリッドであればまだ存在しないので、タントに設定すべく開発を進めている」(ダイハツ商品開発関係者)と明かしている。
どんなメカニズムになるか明確になっていないが、おそらく1モーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたダイハツ独自の開発になると思われる。2モーター方式のほうがより低燃費&高性能の両立に効果的だが、こちらだと大幅なコストアップになり、拡販が難しいとの判断があるためのようである。
■現場が語る今後のライバル対決のポイント
●証言1:首都圏ダイハツ販売店営業関係者
今回のタントの一部改良は小幅の手直しだから、これによる大幅な販売での立て直しは難しいかも知れない。モデルそのものは新開発の刷新車だから、商品力には自信がある。
N-BOXやスペーシアに販売実績で負けているのは、ダイハツにとって両側スライドドア仕様は、ほかにムーヴキャンバスやウェイクがあり、これらに需要が分散しているためだ。これらを合わせた総販売台数は引き続きダイハツがトップの座を維持している。
今後、ビッグマイナーチェンジし、フルハイブリッドが追加されれば、さらに販売が増強され、単独でタントがトップブランドになる可能性があるので期待している。
●証言2:首都圏ホンダカーズ店営業担当者
ホンダ「N-BOX」とダイハツ「タント」では、基本的にスーパースペースワゴンとしてのクオリティ、室内の広さ、使い勝手、安全性での商品力の格差があるので、販売実績で負けることはないと確信している。
N-BOXの現行モデルの登場は2017年8月31日で、現行タントより2年近くも古いのに負けていないのが、その証拠だ。2020年12月のマイナーチェンジによって、さらに引き離すのは間違いない。
N-BOXはハイブリッドがなくてもライバル車とは充分に戦える商品を持っている。もしタントのフルハイブリッドが発売になり、N-BOXを追い抜くことになれば、ホンダとしても対抗策を考えるに違いない。
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