■日本のバイクメーカーでは飛び抜けた感のある、カワサキのブランド戦略
元々カワサキの二輪事業は、川崎重工業における数少ないB to C事業。一般消費者に向けてカワサキブランドをアピールする手段という側面がある。
また、国内外のコミューター市場には力を入れず、ファン領域だけで勝負する日本のメーカーはカワサキのみ。趣味性の高い商品が多い分、常にブランド力向上を意識しているメーカーとも言えるだろう。
メグロK3は、カワサキの魅力を増す要素のひとつになることは間違いない。メグロだから買う「指名買いユーザー」を集めることはもちろん、メグロの血統をアピールすることでカワサキに関心を寄せる効果も期待できる。
また、航空機産業がルーツにあることを知り、カワサキにより愛着を持つマニアなライダーも少なからずいるだろう。今年は、Z1/Z2のシリンダーヘッドを再生産して販売したように、カワサキが自らのブランドを守り育てていく姿勢は明確だ。
欧州においてはビモータと合弁会社を設立し、ハブステアの「テージH2」を2019年のミラノショーで公開。カワサキを筆頭にメグロやビモータまで伝統のブランドを擁し再構築する同社の戦略は、日本のメーカーではすでに飛び抜けた感があり、ブランド戦略に長けた欧米メーカーに伍する勢いだ。
メグロはアジア最古の二輪ブランドとして打ち出していくこともできる訳で、カワサキがこれをクローバル展開していくのかにも注目したい。メグロK3の詳細は今後またお伝えしよう。
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