「わ」ナンバーなぜ激増? レンタカー&カーシェアリングの実態と最前線

カーシェアリングは都市部限定ゆえ台数は少ない

 なんでこんなにレンタカーが多いのだろう? という疑問を解決するためにまずは一般社団法人 全国レンタカー協会で、データを調べてみました。

 2009年の日本のレンタカー台数は43万2158台(うち乗用車が21万2929台)です。2015年は67万9536台(うち乗用車が33万9794台)、2019年は88万3743台(うち乗用車が47万7378台)となっています。

 毎年の伸び率は5~10%程度で業界全体として見ると堅調というイメージがあります。

 しかし、この全国レンタカー協会の台数データは一般的なレンタカーのほかに、「わ」ナンバーや「れ」ナンバーのカーシェアリングのクルマも含まれています。

 そこで公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団がまとめているカーシェアリングの台数と会員数を調べました。

ホンダが展開しているEvery Goではホンダeの魅力を体験してもらう意味も込めて、3時間で2400円という破格の料金設定となっている
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 それによると2009年のカーシェアリング車両台数は563台(会員数:6396人)、2015年は1万6418台(会員数:68万1147人)、2019年は3万4984台(会員数:162万6618人)となります。

 2018年から2019年の乗用車のレンタカー全体での増数は47万7378台(2019年)マイナス42万2480台(2018年)で5万4898台にもなりますが、カーシェアリングの増数は3万4984台(2019年)マイナス2万9280台(2018年)で5704台でしかありません。

 それでも10%を超えるのですから大きな勢力であることには間違いないのですが、思ったよりは少なく感じます。

 それもそのはずで、レンタカーが全国津々浦々で大きく展開されているのに対し、カーシェアリングについては都市部を中心とした展開なのです。

 ですので、東京に住んでいるとカーシェアリングのステーションを数多く見かけるのですが、地方ではまだまだその整備が進んでいないのです。

 これは、カーシェアリングという形態が都市部にマッチするということも大きく影響しています。

 どちらにしろ、レンタカーやカーシェアリングは順調にその勢力を増しているのですから、「わ」ナンバーを見かける機会が増えるのは当たり前です。

レンタカーは堅調な伸びを見せている
レンタカーは堅調な伸びを見せている

短時間利用はカーシェアリングのお得感が強い

トヨタのカーシェアリング、トヨタシェアではヤリスは15分200円で使うことができるのもカーシェアリングの魅力
トヨタのカーシェアリング、トヨタシェアではヤリスは15分200円で使うことができるのもカーシェアリングの魅力

 2010年あたりからのデータをチェックしてもレンタカーの料金はほぼ横ばい状態なのですが、カーシェアリングのように短時間で利用できる形態が登場したことで、1回の使用料金はずいぶんと下がってきていると言えるでしょう。

 レンタカーの場合は、多くは長時間のレンタルとなり、最低利用時間が6時間などとなります。

 対してカーシェアリングの場合は、最低利用時間が10分から15分と短くなっています。

 使うのは1時間程度しかない、などといった場合に、6時間分の料金が必要なレンタカーと、1時間分で済むカーシェアリングでは圧倒的にカーシェアリングのほうが出費を抑えられます。

 こうした使いやすさの背景とともに、現代の若者を中心に新しい考えをもつ人が増えてきています。

 従来は、クルマを所有することが基本で、何らかの理由で所有できない人がレンタルをするというような土壌がありました。

 しかし、現代はさまざまなものを所有せずにレンタルで済ますという考えの人も増えてきます。そうした土壌が広がったこともレンタカーやカーシェアリングの利用に拍車をかけているのでしょう。

自動車メーカーもカーシェアリングに積極参入している。輸入車ではアウディが最も積極的に展開している
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