1980年代から1990年代前半はクルマでデートするのが当たり前の時代。クルマを持っていないので、レンタカーを借りたものの、「わ」ナンバーを見てドン引きされた、という経験を持っている人は少なからずいるはずだ。
かつてレンタカーはネガティブなイメージもあったが、今では使いたい時に使う、という意識が浸透したこともあり、当たり前の存在となっている。
レンタカー=観光地のイメージはいまだに強いが、そのいっぽうでカーシェアリングが浸透してきていることもあり、都市部に「わ」ナンバーを見かけるケースが確実に増えている。
本企画では、レンタカー&カーシェアリングの最新事情に迫る。
文/諸星陽一、写真/TOYOTA、HONDA、MAZDA、SUZUKI、DAIHATSUA、Adobe Stock
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レンタカーのナンバーは「わ」または「れ」
クルマで取材に出かけることが多い私達は、移動中の道路でさまざまなものを見かけます。そうしたなかで、最近すごく感じているのがレンタカーの多さです。
ご存じの方も多いかと思いますが、レンタカーはナンバープレートの登録種別……つまり、ひらがなの部分が「わ」もしくは「れ」となっています。
一般的に北海道では「れ」、それ以外の地域では「わ」が使われていますが、最近沖縄では「わ」が足りなくなってしまい「れ」を使い始めたとのことです。
私が「レンタカーが多いなあ」と感じるのは関東近郊ですから、当然「わ」ナンバーです。
実はレンタカーはもうひとつ見分け方があって、リヤウインドウなどにレンタカー会社のステッカーなどが貼られるので、通常のクルマよりステッカー数が多いのです。
ステッカー数の多いクルマを見かけてレンタカーだと予想を付け、近づいてナンバープレートを確認すると「わ」ナンバーであるということが多いという感じです。
カーシェアリングは都市部限定ゆえ台数は少ない
なんでこんなにレンタカーが多いのだろう? という疑問を解決するためにまずは一般社団法人 全国レンタカー協会で、データを調べてみました。
2009年の日本のレンタカー台数は43万2158台(うち乗用車が21万2929台)です。2015年は67万9536台(うち乗用車が33万9794台)、2019年は88万3743台(うち乗用車が47万7378台)となっています。
毎年の伸び率は5~10%程度で業界全体として見ると堅調というイメージがあります。
しかし、この全国レンタカー協会の台数データは一般的なレンタカーのほかに、「わ」ナンバーや「れ」ナンバーのカーシェアリングのクルマも含まれています。
そこで公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団がまとめているカーシェアリングの台数と会員数を調べました。
それによると2009年のカーシェアリング車両台数は563台(会員数:6396人)、2015年は1万6418台(会員数:68万1147人)、2019年は3万4984台(会員数:162万6618人)となります。
2018年から2019年の乗用車のレンタカー全体での増数は47万7378台(2019年)マイナス42万2480台(2018年)で5万4898台にもなりますが、カーシェアリングの増数は3万4984台(2019年)マイナス2万9280台(2018年)で5704台でしかありません。
それでも10%を超えるのですから大きな勢力であることには間違いないのですが、思ったよりは少なく感じます。
それもそのはずで、レンタカーが全国津々浦々で大きく展開されているのに対し、カーシェアリングについては都市部を中心とした展開なのです。
ですので、東京に住んでいるとカーシェアリングのステーションを数多く見かけるのですが、地方ではまだまだその整備が進んでいないのです。
これは、カーシェアリングという形態が都市部にマッチするということも大きく影響しています。
どちらにしろ、レンタカーやカーシェアリングは順調にその勢力を増しているのですから、「わ」ナンバーを見かける機会が増えるのは当たり前です。
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