ヴォクシー/ノア/エスクァイアの販売も変動
それならミドルサイズのヴォクシー/ノア/エスクァイアはどうか。この売れ方は、アルファード&ヴェルファイアほど極端ではない。2020年9~11月を見ると、ヴォクシー:53%、ノア:36%、エスクァイア:11%だ。
全店が全車を扱う前の2020年1~4月は、ヴォクシー:47%、ノア:29%、エスクァイア:24%であった。
全店が全車を扱うようになり、ヴォクシーは少し増えて、ノアはさらに増加した。そのぶんだけエスクァイアが減っている。アルファード&ヴェルファイアほどではないが、ヴォクシー系3姉妹車の販売比率にも変動が生じた。
エスクァイアの販売が減った理由
なぜエスクァイアが減ってノアが増えたのか。以前は3姉妹車の中でエスクァイアのみを扱っていたトヨタ店に、今の3姉妹車の売れ方について尋ねた。
「以前はヴォクシーとノアは扱わず、エスクァイアのみを販売していました。エスクァイアは内装が上質で、クラウンを扱うトヨタ店のイメージに合っています。その代わり価格も少し高いです。ノーマルエンジンの売れ筋グレード(Gi)は約300万円で、ハイブリッドは340万円弱です。エスクァイアにエアロパーツは装着されていませんが、価格はヴォクシーのエアロ仕様やセレナのハイウェイスターと同等です」
ノア、ヴォクシーについては、以下のようにコメントしてくれた。
「ノアの標準ボディは価格が安く、250万円台から選べます。そのために今は、スポーティなエアロ仕様ならヴォクシー、安い標準ボディはノア、高級感を求めるお客様にはエスクァイアという売り方になりました。ニーズに応じて3車種を使い分けるようになり、エスクァイアは減りました」
ちなみに今ではヴォクシーの標準ボディは廃止され、エアロパーツを装着したZSのみになる。それでもミニバンではエアロ仕様が人気だから、ヴォクシーは3姉妹車の販売総数の内で53%を占める。
逆に高級指向のエスクァイアは、ニーズが少ないため、全店が全車を扱う体制になって10%まで減った。
リセールバリューの高いモデルをユーザーに推奨
ネッツトヨタ店からは、数年後に売却する時の査定額に関する話を聞けた。
「ミニバンでは、グレードによってリセールバリューがかなり違います。エアロ仕様で、外装色がブラックかホワイトパールなら、高値で売りやすいです。そこでお客様にも、ヴォクシーのブラックかホワイトパールを推奨しています。安さを重視するならノアの標準ボディですが、外装色はやはりブラックかホワイトです」
販売店としては、リセールバリューの高い仕様を売ると、数年後に高値で売却できるために乗り替えを促しやすい。
「今なら120万円で買い取れるので、130万円をご用意いただければ新型に乗り替えられます」
という具合だ。そこでリセールバリューを重視すると、まずはヴォクシーZS、次いでノアSiを推奨する。
逆に安さを重視するユーザーに対しては、ヴォクシーが標準ボディを廃止したから必然的にノアXになる。高級指向のエスクァイアは選ばれにくい。
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