新型ノートは日産ファンの期待に応えるか
新型ノートが高人気を保つ4つ目の理由は、先代型と違って、今のところ国内専用車になることだ。
開発者は「今は海外でマイクラやジュークが人気を得ており、新型ノートは国内専用車にした」という。海外で売らない場合、軽自動車のように、国内で大量に販売せねばならない。
そして、日産はコンパクトカーとしてマーチも用意するが、発売時点から質感に不満があって売れ行きが伸びず、今では10年が経過した。
2020年のマーチの登録台数は、月平均で500台以下だ。そこで日産のコンパクトカー需要は新型ノートに集中させる。このやり方なら売れ行きも伸びるから、国内専用車としても成り立つ。
以上のように新型ノートは優れた商品に成長したが、背景に潜む日産の事情を考えると必ずしも喜べない。
エルグランドやフーガは設計が古く、エクストレイルも海外では次期型(新型ローグ)が登場したのに日本では旧型を売っている。スカイラインも落ち込んだ。
この状況をフルモデルチェンジや新型車の積極的な投入によって打開するのではなく、むしろ肯定して少数の商品で国内市場を支えるのであれば、新型ノートを国内専用にして渾身の開発を施したことも納得できる。
以前噂になっていたコンパクトミニバンタイプと併せて、日産の国内市場は、日本向けの「新型ノートシリーズ」が背負って立つわけだ。
新型ノートは前述の通り優れた素性を備えている。車内の広いコンパクトミニバン、スポーティなNISMOなど、いろいろな商品に発展させても成功する可能性を秘める。まずは新型ノートを軸に国内販売を盛り返し、改めて魅力的なラインナップを構築してほしい。
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