走行性能が非常に高いことで話題となっている、新型ノート。前型のE12ノートのいい部分を受け継ぎつつ、弱点であった乗り心地とノイズを大幅に改善し、ライバルであるヤリスやフィットを凌ぐ実力で、クルマ業界を震撼させている。
この新型ノートの高い走行性能は、新たに導入されたプラットフォーム、「CMF-B」による効果だ。CMF-Bは、基本性能の向上と、コスト低減を目的として、ルノー・日産のアライアンスの元で共同開発された、上級小型車向けプラットフォームである。
今回は、CMF-Bの何がすごいのか、紐解いていきたいと思う。
文:吉川賢一
写真:NISSAN、RENAULT
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「走り」にこだわってつくられた
昔からコンパクトカー需要が高い欧州地域での人気車種といえばVWゴルフだが、それに続くのがルノー「クリオ(日本名:ルーテシア)」だ。欧州地域だけでも年間30万台以上(2019年)が販売されており、ルノーとしては主力となるコンパクトカーだけに、一切の妥協が許されないクルマでもある。
新型ノートの開発関係者に聞くと、新プラットフォーム開発の主導はルノーであるが、そのプラットフォームをベースに、日産独自で改良を施しており、全く同じ車台をポン付けしたわけではないという。もちろん、目に触れるエクステリアやインテリアのパーツなどは、それぞれのメーカーが作っている。
CMF-Bは他にも、日産の2代目ジュークや、K14マイクラ、ルノーのキャプチャーにも採用されている。日本よりも常用スピードレンジが高い欧州向けのため、走行安全性と快適性にこだわり、「質感の高い走り」を狙ってつくられている。
ちなみに、欧州メーカー勢は、協業関係にあるメーカー間で、プラットフォームやパワートレインを共用化し、開発費低減やグループとしてのコストダウンを狙うのが当たり前になっている。
例えば、プジョーやシトロエン、オペルなどが属するPSAグループでは、B/Cセグメントにあたるプジョー208やDS3、オペルコルサが、「CMP(コモンモジュラープラットフォーム)」を使用しており、コスト低減を図っている。
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