GRヤリスに続きGRスーパースポーツ!! モータースポーツに本気で向き合うトヨタは採算がとれているのか?

トヨタだけが欧州での販売を伸ばしている事実

GRヤリスはWRCのイメージもあり、欧州での注目度がものすごく高い
GRヤリスはWRCのイメージもあり、欧州での注目度がものすごく高い

 3つ目に現在進行形のWRCを紹介しておく。

 直近の欧州に於ける日本車の販売状況を見ると明確なジリ貧になってます。第2期F1でしっかりブランドイメージを作ったホンダながら、今や赤字でいつ撤退してもおかしくない販売台数。

 WRC全盛期、高額なWRXを売りまくったスバルも、もはや事実上の撤退と言える台数しか売れていない。

 ルノーという相棒を持つ日産すら非常に厳しくなっている。

 そんななか、トヨタだけ順調に販売台数を伸ばしてます。興味深いことにWRCへカムバックした2017年からハッキリ販売台数が増えているのだった。

 現地のディーラーに聞くと、皆さん、「クルマを見に来る人が増えました。ヤリスを見に来てRAV4を買っていきます」。

 考えて欲しい。クルマのブランドイメージを上げるのはどうしたらいいだろう? 

 ゴルフ用具だったら強いツアープロに使ってもらうこと。スキーも優勝している選手が使っていること。自転車だってツールド・フランスで勝てるブランドに乗りたくなるんじゃなかろうか。逆に言えば、優れた性能を持っているから優勝出来るワケ。

クルマは道具であるがそれだけで終わらない

三菱はグループA時代にランエボでWRCを席巻。三菱=優れた4WDのイメージが世界的に定着
三菱はグループA時代にランエボでWRCを席巻。三菱=優れた4WDのイメージが世界的に定着

 マツダや三菱自動車の役員に上記のような話をしたことがある。

 両メーカー揃って口を合わせたように、「スポーツは趣味。実用性重視のクルマと違うでしょ」。

 確かにクルマって道具だ。道具は安くて丈夫で耐久性あって使いやすいことに意義を持つ。ゴルフ用具やスキーのような遊び道具と違うんだ、ということなんだろう。

 ここから面白くなる! 確かにクルマは生活に必要な道具です。だったら機能に合った性能で充分じゃなかろうか。1人や2人の移動に使うなら軽自動車で充分。荷物を運ぶのであれば、それに見合った実用車でいい。

 そして安価というスペックも重要。実際、軽自動車を見ていると、価格や性能は横並び。モータースポーツなど関係なし。

 なのに街中を見ると、ムダに大きいクルマや、ムダな性能を持つクルマがたくさん走っている。自動車メーカーにからすれば高額なクルマを売ったほうが儲かります。

マツダは1991年に日本メーカーとして初めてル・マン24時間レースで総合優勝を飾った。モータースポーツへの復帰に期待したい
マツダは1991年に日本メーカーとして初めてル・マン24時間レースで総合優勝を飾った。モータースポーツへの復帰に期待したい

 クルマ選びの基準は実用性だけでなく、趣味性も大きいということにほかならない。ここで言う趣味性って何か? 自転車やスキーと同じく「ブランドイメージ」だと思う。

 クルマの場合、モータースポーツでしかブランドイメージを構築できないと言っていい。電池自動車の場合、テスラが人気の理由はメチャクチャ高い加速性能を持っているからに他ならない。

 競技で使えない非公認の道具であっても叩けば大飛びするようなゴルフクラブを買う人はいます。普通の性能しかなかったら誰も買わないだろう。

 確かにモータースポーツを費用対効果で表現するのは難しい。というか出来ないと思う。

 けれどブランドイメージ向上には間違いなく貢献しているし、高くてムダな性能を持つ利益率の高いクルマを売ろうとするなら、モータースポーツでアピールするしかない。

 モータースポーツをやらないメーカーは、いいクルマを作っても暗いし、ジリ貧になります。

【画像ギャラリー】早くもWRC2021年シーズン開幕!! 第1戦の伝統のモンテカルロラリーでトヨタ勢は1、2、4位フィニッシュ!!

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、ちわっす! 愛車がどれだけ部品を交換してもグズり続けて悲しみの編集…