読者の皆さんも、CMで「自動運転」というフレーズを聞くことがよくあると思う。予備知識なしに「自動運転」と聞くと、運転中は自由に過ごすことができる、近未来を想像する人もいるだろう。
しかし、現在普及している自動運転とは、「レベル2」と言われる運転の主体はドライバーのシステムだ。ホンダが2020年度中(現在2月なので、あと1カ月ほど)に、自動運転レベル3のシステムを搭載した『レジェンド』を発売開始するとしているが、まだそのくらいという状況だ。
現在の自動運転とはどこまで許容されるものなのだろうか? レベルごとに何が違うのか? 正しく付き合っていくためにはドライバーはどうするべきなのか? 解説していきたい。
文/国沢光宏
写真/TOYOTA、HONDA、TESLA、VOLVO、編集部
■自動運転だけどルールを守らないと道交違反に! その線引きはどこに!?
最近ハンズフリー走行も可能だと宣伝するクルマが増えてきた。日本車で積極的にアピールし始めたのは日産。スカイラインに搭載された「プロパイロット2.0」を発表した際、手放し運転の写真や動画を公開してます。続いたのがBMW『3シリーズ』。これまたハンズフリー走行をアピール。直近だとスバル『新型レヴォーグ』もハンズフリー対応です。
ここまで読んで「手離し運転は道交法違反でしょ!」と思う人も多いかもしれない。結論から書くと「2つのルールを守れば違反にならない」となる。逆に2つのルールを守らなければ明確な道交法違反だ。ちなみに手放し運転は『ジュネーブ条約』という”運転についての国際規約”で定められてます。もちろん日本もジュネーブ条約締結国。
さて。道交法に書かれている『安全運転の義務』を読むと「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し……」と書かれている。道交法では「常時ハンドルを握っておくこと」や「手放しはダメ」と書いてないワケ。したがって手放し運転しても確実に操作されていれば問題なしということになります。
興味深いことに、ハンドルと同列で書かれているブレーキ操作の自動化は今や容認されている。アダプティブクルーズコントロールを使えばブレーキペダルから足を離すことを認めているのだった。ハンドルも同じ。「ブレーキと同じく確実に操作できれば問題ない」。だからこそジュネーブ条約で容認されているのだろう。
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