CB400SF/SBは排ガス規制に対応すると100万円を大オーバーに!?
CB400SF/SBの4気筒エンジンは、元を辿ると1986年のCBR400Rにまで遡ることができる。その後、1988年のCBR400RR→1989年のCB-1を経てCB400SFに改良されて搭載されている。当時の燃料供給はキャブレターで、エンジンもそれに合わせて設計されたものだ。
これが2008年型でエンジンが「ハイパーVTEC REVO」に変更されたタイミングで、燃料供給がフューエルインジェクションに進化。この改良が土台となって平成28年排出ガス規制もクリアし、一時期は次の令和2年排出ガス規制にも対応することが決まったとも囁かれていた。
それが今、CB400SF/SBは規制に対応しないという話も浮上してきたのだ。その理由は開発コストと思われる。現行CB400SFの車両価格は約90万円、CB400SBは100万円超となっており、400ccクラスで最高額になっている。これが、排ガス規制を通すことでSFも100万円台になることは必至。
さらに、排出ガス規制をクリアするために吸排気系だけでなくエンジン本体にも大幅に手を入れる必要がある場合、車両価格は100万円を大きくオーバーする可能性もあるだろう。CB400SF/SBのエンジンは基本設計が古く、また高回転型といったところが開発のハードルを高めているのだ。
同じ並列4気筒エンジンで高回転型のZX-25Rも開発するにあたりZXR250(1989年)のエンジンを一度検討しているが、実際は完全新設計にしていることはこれを示唆しているだろう。
教習車としても利用されるCB400SFはどうしたら残せるのか
SR400がなぜ生産終了を決めてしまったかというと、人気がなかった訳ではなく、現状ではほぼ日本でしか販売されていないガラパゴスモデルだったことが大きい。同様にCB400SF/SBもガラパゴスモデルなので状況は同じだ。
現在は、世界各国で販売することで台数を稼ぎ開発コストを回収するのが一般的な手法で、生産終了したセロー250に対して同じオフロード車のホンダCRF250Lが2021年型でエンジン内部まで改良するモデルチェンジを行うことができたのはこれが要因だ。
果たしてCB400SF/SBがグローバル展開できるかというと、400ccという日本独自の排気量がネックとなりそうだ。しかし、カワサキのニンジャ400は2018年型からグローバル展開されて国内外で成功しており、コンセプトしだいでは可能性があることも証明されている。そうでなくても、すでにグローバル展開されているCB650Rのエンジンをベースに400cc化するのも手だ。
さらに価格だが、出力を落とすことで規制をクリアしやすくなるのであればそれも選択肢ではないだろうか? 2021年にモデルチェンジして国内でも復活するスズキの新型ハヤブサは、最高出力を197ps→190psに落としている。CB400SF/SBにおいてもその価値は、教習車にも利用されるほどの操りやすさにあるはずで、出力はある程度犠牲にしてもユーザーは納得してくれるだろう。
グローバル化か、出力を犠牲にしてもCB400SF/SBの本質的価値を伸ばしてこれからの時代に受け継いでいくのか。CB400SFがバイクのメートル原器ともいえるベーシックな存在なのは、多くが認めるところ。日本のライダーのためにも、ぜひ存続を検討して欲しい。
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