4月下旬の正式発表を前に、2代目へのフルモデルチェンジを果たした新型ヴェゼルの先行受注が始まっている。
開発を担当した岡部宏二郎シニアチーフエンジニアによると、新型ヴェゼルの開発にあたっては、「ワクワク感」、「開放感」、「爽快感」というキーワードを大切にしたという。
ホンダというと昨年発売のフィットが4つの「心地よさ」をキーワードに開発を重ね、大きな評価を得たことが記憶に新しい。ヴェゼルはどうだろうか。
外観の大きな変化でユーザーの反応も揺れている。果たしてその「変化」は是か非か? 正式発表前にいまわかる新型ヴェゼルのすべてを徹底的に解剖してみよう!
※本稿は2021年2月のものです
文/ベストカー編集部 写真/HONDA、ベストカー編集部 撮影/平野 学
初出:『ベストカー』 2021年3月26日号
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■シュッと伸びやかなプロポーション
コンパクトSUVの先頭を引っ張ってきたヴェゼルがデビューしたのは2013年のことだから、すでに7年が経過した。
「そろそろ……」と言われたモデルチェンジがついに実施されることになる。
2月18日に公開された新型ヴェゼル。
実車を見た瞬間、「おおっ、長くて平べったい!」って思ったんだけど、ボディサイズはほぼ現行型と同じだという。
今回はあくまでも内外装の公開ということで、ボディサイズ等の具体的な数値は明らかにされていないが、現行型ヴェゼルのサイズは全長4330×全幅1770×全高1605mmでホイールベースは2610mmだ。
後方までスッと真っ直ぐに伸ばされたルーフラインと、ウエストの高い位置に直線的に入れられたエッジラインで視覚的にそのように見えるのだろう。
デザインコンセプトの「爽快なSUV」を体現しているプロポーションだ。
■グランドコンセプトは日々の生活の楽しさを増幅させる「AMP UP YOUR LIFE」
サンドカーキのボディカラーは、新型ヴェゼルのコンセプトを最も体現した『Play』グレード。
そのほかにも1.5Lガソリンエンジンの『G』、e:HEVの『X』、『Z』グレードが用意される。
『Play』はワイドなグラスルーフが標準装備。また2トーンカラーとなるルーフなども専用となる。
インテリアもベージュとグレーの2トーン。他グレードはブラック基調のインテリア。
インテリアも外装のコンセプトに合わせて「スッキリ、爽快」がデザインテーマになっている。
インパネは水平基調でワイド感があり、フード高も低く視界は広い印象だ。
ちょっと面白いのがエアコン風吹き出し口で、ダイヤル操作で吹き出し口を切り替えられるのだが、あえて側窓に風を流すモードを新設している。
これにより、前席乗員に直接エアコン風を当てることなく、室内全体を包み込むような風の流れを作り出すのだという。これも爽快な空間の演出だ。
後席に座ると、前席背もたれ後ろが湾曲するようにえぐられていることで、膝前の空間は縦にしたコブシ2つ分の余裕がある。
足先は前席下にスッと収まり、センタータンクによる傾斜をちょうどよい角度に合わせてあり、フットレストのようになっており快適。これはよく考えられているな、と嬉しくなる。