新車と中古車で最も異なるポイントは「人気」という不確定要素が及ぼす影響が大きいことだ。
新車の場合、人気車になればなるほど納車までの期間は長くなることはあるが、「人気車だから価格が高くなる」ということはない。
しかし中古車の場合は違う。
ミニバンやSUVといった同じカテゴリーで人気車と不人気車では、新車時価格が同じぐらい、同じ年式、走行距離であっても買取や下取り価格は大きく異なってくる。
これは人気が大きく価格に影響を与えているからだ。
以下、人気の新車(アルファード)を選ぶさいに、ちょっとした選択の違いで下取り価格が大きく変わることと、その各要素について紹介していきたい。
文/萩原文博 写真/ベストカー編集部、トヨタ
【画像ギャラリー】圧倒的な人気を誇るアルファードのボディカラー・グレードを画像でチェック
■中古車は需要と供給で価格が決まる
新車はいわゆる定価があるが、中古車は同じ仕様のモノがない一物一価のため、需要と供給で価格が決まる。
言い変えれば、「株価」のように、供給量に対して、人気(需要)が高ければ高くなるという仕組みなのだ。
そこで、今回はミニバンの中でも圧倒的な人気を誇るトヨタアルファードを例にして、人気という要素が3年後の査定価格にどれくらい影響を与えるのかを調べてみた。
2015年1月に登場したLサイズミニバンの人気モデル、トヨタアルファード。標準系とエアロ系という2つのモデル体系があり、搭載するパワートレインは2.5L直4ガソリンエンジン、3.5LV6ガソリンエンジン、2.5Lエンジン+モーターのハイブリッドの3種類となっている。
駆動方式は2.5Lと3.5Lガソリン車は2WDと4WD、ハイブリッド車は4WDのみとなっている。新車価格はエントリーグレードの2.5X 2WD 8人乗りの352万円~2.5ハイブリッド エグゼクティブラウンジの775万2000円と非常に幅広くなっている。
■アルファードのお買い得車は3.5Lかハイブリッド車である
まず、アルファードにおける人気のパワートレインを見てみよう。
新車の価格帯としてはハイブリッドが最も高く、次いで3.5L、2.5Lとなっている。
しかし、人気が高く残価率が高いのは2.5Lガソリンエンジン車なのだ。
次いでハイブリッド、最も新車価格から値落ちが大きいのが3.5Lガソリンエンジン車となっている。
これはアルファードだけでなく輸入車などでも同様で、中古車では自動車税の高い大排気量エンジンやハイオク仕様は敬遠されがちなのだ。
輸入車では装備の充実した高額の大排気量エンジン車よりもスタンダードなディーゼル車の中古車のほうが高いという逆転現象はよく起きる。アルファードもこれと同じパターンなのだ。
2.5L車はもともと価格帯が安いということもあるが、レギュラー仕様、税金が安いということで、中古車となっても安定した人気がある。
ハイブリッド車も人気は高いが、もともとの新車時価格が高いため、敬遠されがち。したがって値落ちが大きくなる。裏を返せば、アルファードの中古車でお買い得なのは3.5L車かハイブリッド車と言えるのだ。
コメント
コメントの使い方