修復歴や距離だけじゃない!? 中古車の査定が下がる6つの理由

 個人リースやサブスクリプションといった新しいクルマの所有の仕方が広がっている。しかし、まだ主流となっているのは新車・中古車問わず購入すること。

 クルマを購入したユーザーの大半は、ライフスタイルの変化などにより手放す時が来る。その際に気になるのが買取や下取りに出す際の査定価格だ。

 購入したクルマでたくさんの思い出を作れたから、査定価格は気にしない!という人もいると思いますが、査定価格が少しでも高ければ、高いほど次のクルマの資金が増えることになり、より乗り換えがラクになる。

 そこで、今回はクルマの査定価格を下げることになる要因を紹介する。

文/萩原文博
メイン写真/xiaosan-stock.adobe.com
写真/トヨタ、マツダ、日産、cat027-stock.adobe.com

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修復歴&距離で査定が下がる「基準」は?

 査定価格が下がることで最も知られているのが、「修復歴」だ。

 修復歴ありのクルマは、中古車のセリを行うオートオークションでも「R」点という評価となり、修復歴なしのクルマとは評価の基準が異なっている。

 ただし、修復歴車といっても事故を起こしたクルマとは限らない。日本自動車査定協会や自動車公正取引協議会などが統一基準として修復歴車として、定義しているのは骨格(フレーム)部位などを交換、あるいは修復(修正・補修)したものとなっている。

 フレームというと大きな事故を想像するが、フロントのクロスメンバーは、バンパーのぶつけ方によって軽微なものでも影響が及んでしまうことがある。そのような場合でも修復歴車となってしまうことは覚えておいてもらいたい。

走行距離が長いほど、査定価格が下がる傾向にある。しかし、整備記録簿にメンテナンスを行った記録があれば、下がり幅は小さくなる(写真はイメージ画像です。提供元:cat027-stock.adobe.com)

 そして、もう一つメジャーなのが、「走行距離」だ。中古車のコンディションを探る一つの方法が走行距離で、走行距離が延びているほどコンディションが劣化しているとなり、査定価格が下がる傾向がある。

 しかし、走行距離が延びていても、整備記録簿にしっかりとメンテナンスを行った履歴が残っていれば、下がり幅は小さくなる。

 逆を言えば、購入する場合、走行距離が延びたクルマでもしっかりメンテナンスされていることが証明できる整備記録簿があれば、積極的に買いに出てもう良い! ということになる。

 具体的に数値を挙げると、査定額に影響の出る走行距離は年間1万km~1万5000kmを超えてしまうとマイナス査定となるので注意したい。

性能や条件は同等でも「人気」次第で査定額は雲泥の差

 まずは「修復歴」、「走行距離」というクルマの査定額に影響を与えるメジャー級の要素を紹介した。このメジャー級に続いて紹介するのは「人気」だ。

 かつて政治家が「2番じゃダメなんでしょうか」と言っていましたが、クルマの査定の場合「2番ではダメなのです」。

LLサイズミニバンの1番人気アルファード 2017年式「2.5S 7人乗り」の査定価格は約260万円となっている

 例えば、LLサイズミニバンの1番人気トヨタ アルファード。新車時価格357万8727円の2017年式「2.5S 7人乗り」の査定価格は約260万円。

 同じ2017年式で、新車時価格367万6320円の日産 エルグランド「2.5ハイウェイスターS アーバンクロム7人乗り」の査定価格は約181万円と新車時価格は約10万円高いエルグランドにもかかわらず、現在の買取査定価格は79万円も差が付いているのだ。

日産エルグランドの買い取り査定価格は、アルファードよりも79万円もの差がついている。これだけ査定価格に差がつく要因は人気の差である

 性能的には差がないアルファードとエルグランドだが、これだけ査定価格に差が付く要因はズバリ人気の差。1番人気と2番人気では査定価格に差が付いてしまうのだ。

 しかし、2番人気のクルマのほうが、購入時の値引き額は大きくなる。これは買取査定時のダウン分を先取りしていると思えばいいだろう。

 この人気という要素は使い方ではなく、そもそものクルマ選びに関連する要素だ。迷った時には人気を購入すると良いというのは手放す時にその恩恵を受けることがわかる。

同じ車でも差が出る! 4つ目の項目は「装備」

 選ぶ車種の人気で手放す時の査定価格に差が付くことはわかったと思うが、車種だけではない。同じ車種でも「グレード」や装着されている「装備」によってさらに査定額は差が付くのだ。

 LLサイズミニバンで1番人気のアルファードだが、日本市場で人気なのは小排気量でエアロパーツ装着グレードだ。その条件をクリアした新車時価格357万8727円の2017年式「2.5S 7人乗り」の査定価格は約260万円だった。

 同じ年式・排気量でもラグジュアリー系の「2.5G 7人乗り」は新車時価格399万5018円に対して現在の査定価格は約268万円と新車時は約42万円も差があったのだが、約8万円まで縮まってしまうのだ。

 また、同じエアロ系グレードでも排気量の大きな新車時価格414万5327円だった「3.5SA」の査定価格は現在258万円と新車時価格の安い「2.5S」よりも査定価格が下がってしまうのである。

 これは税金の高い大排気量エンジンが敬遠される傾向が強く、ミニバンをはじめ、輸入車でも装備の充実した大排気量エンジン搭載車が割安となってしまうからだ。

 一方の装備では、ミニバンならば、両側パワースライドドアはマストアイテム。ほかでは価格帯の高いモデルになると、サンルーフは根強い人気を誇っている。

調光パノラマサンルーフは、新型ハリアー最上級グレードのオプションとしてある。このオプション価格19万以上の評価が与えられるだろう

 高い人気を誇っている新型ハリアーだが、最上級グレードの「Z」にオプションとして調光パノラマサンルーフが19万8000円で設定されている。これは査定の際にはこの価格以上の評価を与えられるはずだ。

 また、日本国内だけでなく、海外でも人気の高いアルファードでは「デジタルインナーミラー」、「ブラインドスポットモニター」などの運転支援システム、そして「スペアタイヤ」はマストアイテムで、この3点セットの有無で査定価格は50万円も差が付くというから驚きだ。

査定額を考えるなら無難なボディ色が有利!?

 続いて、査定価格に差がでる要素として紹介するのは「ボディカラー」。

 新車時は有償色も用意されているが、この有償色だから査定価格も高いとは限らない。査定時にはシルバーが基準となり、高く評価されるのはパール系とブラックの2色だ。

査定時にはシルバーが基準となり、高く評価されるのはパール系とブラックの2色である。個性的なカラーだと、パールやブラックよりも査定時に20万円差がつくこともある

 逆に黄色や赤、青といったビビッドなカラーや個性的な色だと査定時にパールやブラックより20万円差が付くこともあるのだ。

 ただし、スバルのイメージカラーともいえるWRブルーは限定車や特別仕様車の場合はプラス査定となるが、カタログモデルでは人気の高いパールと評価は変わらないという。

マツダ車の人気有償色であるソウルレッドクリスタルメタリックは、査定時にそれほど評価はされないようだ

 また、マツダ車で人気のソウルレッドクリスタルメタリック。有償色のため新車には追加料金を支払うのだが、査定時にはそれほど評価はされないようだ。

 休日の高速道路のサービスエリアを見るとパールや白、黒、シルバーのクルマで埋め尽くされるが、これは人気色を選ぶユーザーが多いということを表しているのだ。

残っていないと査定額が下がる「期間」とは?

 ここまでは「人気」という要素が査定価格に影響のあることを紹介してきた。そして査定価格に影響のある要素として最後に紹介するのが「残車検期間」だ。

 まだ車検期間が残っているから大丈夫といってノンビリとクルマ探しをしている人も多いだろうが、実は車検残の期間が半年を切ると車検切れと同じ評価となり、査定が下がってしまう。

 したがってクルマの買い換えを行う場合は車検が切れる1年前には検討を開始し、半年前に決める必要があるのだ。

 このように書いてしまうと、自分の好きなクルマを買えない! という人がいるかもしれないが、自分の趣向に合わせたクルマを手に入れて乗り潰すつもりであれば気にすることはない。

 しかし、手放すときのリセールバリューを次に購入するクルマの軍資金としたいということであれば、今回紹介したことを少しでも頭の片隅にいれておいてもらえると、思い出をくれたクルマに対して手放す時にさらなる感謝の気持ちが高まるはずだ。

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