三菱ラリーアート11年ぶりに復活決定! WRC ダカールラリーに参戦か!?

WRCへの復活の可能性は?

1993年にランサーエボリューションを投入すると、トミ・マキネンが1996〜1999年まで4年連続ドライバーズチャンピオンを獲得、1998年にはマニュファクチャラーズとのダブルタイトルを獲得。写真は2000年シーズンランキング5位と不本意に終わったランサーエボリューションVI(4G63型2L、直4ターボ。290ps/52.0kgm)。翌年途中からWRカーへ移行する
1993年にランサーエボリューションを投入すると、トミ・マキネンが1996〜1999年まで4年連続ドライバーズチャンピオンを獲得、1998年にはマニュファクチャラーズとのダブルタイトルを獲得。写真は2000年シーズンランキング5位と不本意に終わったランサーエボリューションVI(4G63型2L、直4ターボ。290ps/52.0kgm)。翌年途中からWRカーへ移行する
2005年12月、2006年シーズンからのWRC参戦を休止すると発表した。写真はランサーWRC05(4G63型2L、直4ターボ、300ps/55.0kgm)
2005年12月、2006年シーズンからのWRC参戦を休止すると発表した。写真はランサーWRC05(4G63型2L、直4ターボ、300ps/55.0kgm)

 WRC時代の栄光を知る世代としては、SUVではなくロードゴーイングスポーツモデルによるスプリントラリー出場の夢も見たい。活動予算を考えるとかなり難しい選択肢ではあるが、クルマの条件面では来年からハードルがやや低くなる。

 トップカテゴリーであるWRカーは、2022年より「ラリー1」と名を変え、ハイブリッドエンジンに変わる。つまり電動化を果たすわけで、その点では三菱の目指す方向と合致する。

 また、ベース車両の選択肢も広がり、いわゆるパイプフレームの使用が許されることによってプロトタイプ色が強まり、スケーリング規則の採用によりベース車の形状を大きく変えることもできる。

 実際、一時期Mスポーツ・フォードは、コンパクトカーのフィエスタではなく、クロスオーバーのプーマをベース車にすることも検討していたようだ。

 つまり、無理やりではあるがエクリプスクロスをベースにすることも不可能ではなく、また、SUVというキーワードからは外れるが、ミラージュをラリー化することはさらに自然にできる。

 トヨタのGRヤリスのようなハイパフォーマンスコンパクト4WDが「ミラージュ・エボリューション・RALLIART」として誕生したら、それこそ多くの人がミツビシに対するイメージを一気に改めるだろう。

コルトラリーアート バージョンR(2006年)。当時のクラス最強を誇る、最高出力163psを発生する1.5L、直4ターボエンジンを搭載
コルトラリーアート バージョンR(2006年)。当時のクラス最強を誇る、最高出力163psを発生する1.5L、直4ターボエンジンを搭載

 4WDでこそなかったが、2006年に登場した「コルト・RALLIARTバージョンR」はまさにそのようなクルマだったし、その再来を望む人は自分を含めて少なくない。

 ただし、前述のように、活動予算を考えると三菱のWRC復活は、少なくとも現時点ではあまり現実的ではないといえる。

環境問題への関心を高めることを目的として設立された電動SUVを使用するオフロードレースがエクストリームE
環境問題への関心を高めることを目的として設立された電動SUVを使用するオフロードレースがエクストリームE

 ほかにも、電動車、SUVというキーワードに合致するモータースポーツはある。それは、2021年から始まったEVによるオフロードレースシリーズ「エクストリームE」だ。

 いわばフォーミュラEのオフロード版であり、約550馬力を発生するモーターを搭載する、バギータイプのマシンによるレースである。開催場所は世界各国の砂漠、氷河、熱帯雨林、北極圏と、環境問題への配慮が最大のアピールポイント。

 また、ルイス・ハミルトン、ジェンソン・バトン、ニコ・ロズベルグといったF1王者たちがオーナーを務める超一流チームが多く参戦し、セバスチャン・ローブやカルロス・サインツがドライバーとして名を連ねる。

 世界的に見ても大きな注目を集めるシリーズであり、三菱とRALLIARTが何らかの形で関与すれば素晴らしいプロモーションになるだろう。

ダカールラリーへの参戦は?

1983年のワークス初参戦以降、通算参戦回数26回、連続7回を含む12回の総合優勝は世界最多。1997年には篠塚健次郎氏が日本人初優勝を果たし、2003年には増岡浩氏がこちらも日本人初のパリダカ2連覇を達成。写真は2002年に増岡浩氏が日本人2人目となる総合優勝を達成した際のもの
1983年のワークス初参戦以降、通算参戦回数26回、連続7回を含む12回の総合優勝は世界最多。1997年には篠塚健次郎氏が日本人初優勝を果たし、2003年には増岡浩氏がこちらも日本人初のパリダカ2連覇を達成。写真は2002年に増岡浩氏が日本人2人目となる総合優勝を達成した際のもの
2007年にダカールラリーに参戦した三菱ワークスのパジェロエボ。ドライサンプ化されるなど過酷なパリダカに負けない装備を誇った。前列右から2番目が増岡選手
2007年にダカールラリーに参戦した三菱ワークスのパジェロエボ。ドライサンプ化されるなど過酷なパリダカに負けない装備を誇った。前列右から2番目が増岡選手
三菱ワークス最後のパリダカマシンとなった「レーシングランサー」。パジェロが築いてきたパリダカの歴史を引き継ぐ予定だったが、活躍期間はわずか1年。三菱ワークスがパリダカから撤退してしまった
三菱ワークス最後のパリダカマシンとなった「レーシングランサー」。パジェロが築いてきたパリダカの歴史を引き継ぐ予定だったが、活躍期間はわずか1年。三菱ワークスがパリダカから撤退してしまった

 最後に、電動車によるオフロードイベントという意味では、ダカールラリーも可能性はゼロではない。2020年12月、アウディは2020年のダカールラリーに、電動ドライブトレインを用いたプロトタイプマシンで出場することを発表。

 長年力を入れてきたフォーミュラE参戦を止め、それに代わるプロジェクトであることも大きな注目を集めた。近年はややトピックスの少ないダカールラリーだったが、アウディが電動車で参戦することにより、再び活気を取り戻すに違いない。

 そして、もしかつての絶対王者である三菱がRALLIARTの名のもとに復帰してアウディと優勝を争うことになれば、それはブランドと電動化イメージの訴求に関して、最高のプロモーションになるだろう。

 現在、ダカールラリーはサウジアラビアの砂漠が舞台であり、中東エリアでの販売促進という意味でも有効なはずだ。

 以上のように、夢は果てしなく広がるが、まずはアジアのオフロードラリーでRALLIART復活の礎を固め、それから徐々に活動を広げていくというのが現実的であり、リスクも少ないだろう。新生三菱RALLIARTの活動に期待したい。

2019年のダカールラリーには三菱スペインチームがエクリプスクロスT1で参戦。エンジンは日本には未導入のターボディーゼルで340hp、685Nm。実は欧州ではWRCのR5規定に合致するミラージュも開発されているし、ランエボやパジェロなどでラリーに参戦するプライベーターも多い
2019年のダカールラリーには三菱スペインチームがエクリプスクロスT1で参戦。エンジンは日本には未導入のターボディーゼルで340hp、685Nm。実は欧州ではWRCのR5規定に合致するミラージュも開発されているし、ランエボやパジェロなどでラリーに参戦するプライベーターも多い

【画像ギャラリー】三菱のラリー史を写真で振り返る

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