クラウン スカイライン 現行国産FR車16台 総レビュー!! 魅力と見過ごせない欠点

■FRスポーツ オープンカー

●マツダ ロードスター(260万1500~333万4100円)

【魅力】コーナリング速度に固執せずコーナリングの楽しさを追求している。シンプル&コンパクトですぐに一体化できる。何も考えずとも思いどおりにロールをコントロールしドライビングを楽しめる。

【欠点】北米モデルの2Lエンジンに比べるとやはり1.5Lはパワー&トルクともに乏しい。軽量化のため6MTが1.5Lに合わせた専用設計であることも影響。減速時の揺れも感じられマウント強化が必要。

マツダ ロードスター。世界中にファンを持つライトウェイトオープン
マツダ ロードスター。世界中にファンを持つライトウェイトオープン

●マツダ ロードスターRF(343万9700~390万600円)

【魅力】ルーフが付いたことによるボディ剛性アップによりハンドリングと室内快適性が高い。さらに2Lエンジンは実用域トルク特性が太く、市街地だけでなくワインディングでのハンドリングに幅がある。

【欠点】2Lになったことでトランスミッションが旧型のモノを採用。このシフトフィールは1.5Lには及ばない。また上物の重量増によりモーメントが大きくなったことへの対処でサスの動きが制限されている。

マツダ ロードスターRF。電動トップにこだわり、美しいフォルムを実現
マツダ ロードスターRF。電動トップにこだわり、美しいフォルムを実現

■4ドアFRセダン

●トヨタ クラウン(489万9000~739万3000円)

【魅力】2.5L&3.5Lハイブリッドのパワーフィールがいい。しかも2.5Lは燃費率も高い。3.5Lは有段ギアを組み合わせたマルチハイブリッドにより低速でのモーターアシストを含めたトルク特性が心地いい。

 電気式無段変速機だが、パドルで10段変速制御が可能だ。前後Wウィッシュボーン式サスによるマルチリンクゆえに旋回特性が安定。

【欠点】クラウンという歴史観を考察するとあまりにハンドリングに特化しすぎたのではないか。

 さらにその価格帯を考えた時に、同じ価格帯で同じようなハンドリング特性&乗り心地のライバルが存在。なかにはより魅力的なブランドも見受けられる。トータル性能の進化とともにクラウンでなくちゃ! という個性が失われつつあることが唯一×。

トヨタ クラウン。現行はクラウン史上初めてニュルで鍛えられた
トヨタ クラウン。現行はクラウン史上初めてニュルで鍛えられた

●レクサス IS(480万~650万円)

【魅力】今年のマイチェンでFスポーツモデルのハンドリング&乗り心地が大きく進化している。スポット増しや構造用接着剤増による剛性アップと、ホイールのナットからボルト締めへの変更で軽量化と締結力アップによりハンドリングの正確性を増した。

 ダンパーコントロールも素直で、S字など切り返しも狙い通り反応。ブレーキのタッチ&耐久性も〇。

【欠点】ハイブリッドモデルの進化が期待したほどではない。重量増やちょっとしたバランス変化にシビアなのかもしれない。

 一般道の古く荒れた路面を走ると、連続した細かなサスへの入力でボディ床面のどこかが共振しているように感じる。これはFスポーツでは感じなかった点だ。Fスポに対してベースグレード含めた売れ筋モデルがイマイチ。

レクサス IS。昨年11月にビッグマイチェンを敢行して性能が大幅アップ
レクサス IS。昨年11月にビッグマイチェンを敢行して性能が大幅アップ

●レクサス LS(1073万~1728万円)

【魅力】Fセグメントのラグジュアリーセダンとして先進的なデザインフォルムながらセダンとしての室内パッケージをしっかり確保しているところ。しかもハイブリッドモデルでも変わらず快適性が高い。

【欠点】純正で設定されているタイヤ銘柄によって乗り心地やNVHが異なる。ユーザーはタイヤを選べないだけに罪作りだ。本をただせばボディ剛性やドライブトレーンのマウントなどに起因か?

レクサス LS。昨年11月にマイチェンしデザインがさらに洗練された
レクサス LS。昨年11月にマイチェンしデザインがさらに洗練された

●日産 スカイラインハイブリッド(557万5900~644万4900円)

【魅力】プロパイロット2.0による同一車線ハンズオフを可能とするACC+LKAの超高性能ぶり。超高精細地図とGPSの活用で実現した車線内中央維持機能は圧巻。比類なき車線内のど真ん中走行を堪能できる。

【欠点】プロパイロット2.0は電気系統が2系統必要なため、ハイブリッド以外の他のスカイラインには展開ができない。それほどハイブリッドとエンジン車とは電子プラットフォームが異なるのだ。

日産 スカイラインハイブリッド。2019年のマイチェンで日産エンブレムとなった
日産 スカイラインハイブリッド。2019年のマイチェンで日産エンブレムとなった

●日産 スカイライン400R(562万5400円)

【魅力】新開発3L、V6エンジンがすばらしいのだが、基本スタンダードモデルと同じ仕様。ただ過給圧を9.5→14.7psiへとアップしただけで405ps/475Nmものパワーを絞り出している。

 とはいうもののこの過給圧はスゴイ。つまりベースエンジンの素性がいいことの証明。それでいて低速域でのトルク感もリッチで市街地走行も普通にこなす。

【欠点】世界初のステアリングバイワイヤのダイレクトアダプティブステアリング。確かに進化してきているが、まだ時として意にそぐわない操舵特性を見せる。プログラミングだから人の癖によってこのようなことが起こるのだろう。

 その部分は目を瞑るとしても、もう少しフロントタイヤの接地面のフィーリングを伝えてほしい。矛盾した希望だが……。

日産 スカイライン400R。400Rの登場によりスカイラインへの注目度は大幅アップ
日産 スカイライン400R。400Rの登場によりスカイラインへの注目度は大幅アップ

●トヨタ MIRAI(710万~805万円)

【魅力】高級なスタイリングと後輪駆動になり進化したメカニズムと航続距離750kmの高効率がすばらしい。

【欠点】水素ステーション普及率の低さ。水素は外気温によって充填率が左右されるため航続距離にも影響。

トヨタ MIRAI。昨年12月にフルモデルチェンジして2代目となった燃料電池車は大幅な進化を遂げた
トヨタ MIRAI。昨年12月にフルモデルチェンジして2代目となった燃料電池車は大幅な進化を遂げた

●日産 フーガ/シーマ(フーガ:502万7000~639万4981円/シーマ:823万1300~993万1300円)

【魅力】日産技術の1モーター2クラッチを採用した3.5Lハイブリッドシステムによる強烈な加速と自然な制御。

【欠点】シーマはショーファードリブンカーとして高質な仕上がり。でも日産がアピールもしないから売れない。

日産 フーガ/シーマ。新型登場に期待
日産 フーガ/シーマ。新型登場に期待

●トヨタ センチュリー(1999万2963円)

【魅力】和のテイストたっぷりのインテリアは圧巻。とても素直でボディをフラットに保つ動くサスも魅力だ。

【欠点】室内静粛性高く乗り心地もいいがフロアの振動がある。ADASが旧システム、LKAがないのは残念。

トヨタ センチュリー。ライバルはロールスロイスファントム!? 超高級サルーンはドライバーズカーとしても実力派
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