全工場操業停止でカローラクロスなど新車に大激震! トヨタ車の最新納期と遅延加速の実情

受注停止も発生! 見通し不明の車種も多数

 今回の操業停止は、非常にタイミングが悪かった。8・9・10月はトヨタ車の一部改良や、レクサスの年次改良の時期と重なっている。

 改良やモデルチェンジの場合、通常であればラインの切り替えを行うため、改良発表の約40日前から、現行型の生産がストップする。しかし、今回の操業停止により、切り替わりの時期までの生産量が見通せず、やむなくオーダーストップをかける車種も出てきた。

RAV4(ガソリン車)、ライズが一部改良を控えている。しかし、今回の操業停止の影響で現在入っているオーダーぶんがすべて生産出来るかが不透明な状況だ
RAV4(ガソリン車)、ライズが一部改良を控えている。しかし、今回の操業停止の影響で現在入っているオーダーぶんがすべて生産出来るかが不透明な状況だ

 トヨタではRAV4のガソリン車、そしてライズが一部改良を予定する。現行型の生産終了はRAV4で11月30日、ライズが10月15日だ。さらにダイハツからOEM供給を受けるピクシスバン、ピクシストラックも切り替えの時期に入った。

 RAV4、ライズ、ピクシスバン・トラックの4車種に関しては、現在入っているオーダーぶんが、すべて生産できるかが不透明な状況だ。やむを得ず、この4車種は8月23日以降、受注・商談活動が停止された。売れ筋車種のRAV4とライズの注文停止は、販売現場への影響も大きい。

 レクサスでもLSとLCで年央改良の時期に入っており、現行型のオーダーはすでに終了している。しかし、改良後モデルの生産見通しは立っていない。

 さらに、人気車種のNXがモデルチェンジを迎える。トヨタでは新型カローラクロス、GR86がニューモデルとして登場するが、こちらのスケジュールにも少なからず影響が出るだろう。

◆  ◆  ◆

 仮に日本のコロナ感染が落ち着いても、部品生産国でのコロナウィルスの猛威が広がり続ければ、また大規模な操業停止は避けられない。半導体不足、鋼材の値上げに加えて、世界各国でのコロナ蔓延が、日本の自動車産業を大きく苦しめる状況は続いていく

 このコロナによる緊急事態は、メーカーや販売店の力だけで乗り切れるものではない。ユーザーも含め、自動車に関連する人々が一丸となって戦っていき、難局を乗り切ろうではないか。

トヨタ・レクサス車の最新納期一覧(カッコ内は生産影響を反映した後の納期目安)

●操業停止による納期影響大【1か月以上遅延】の車種

【トヨタ】

・MIRAI/3か月
・センチュリー/10か月
・ランドクルーザー/1年以上(先行き不透明)
・ハリアー/ガソリン車4か月半、ハイブリッド7か月半
・RAV4 PHV/5か月半
・ヤリスクロス/ガソリン車5か月、ハイブリッド5か月半
・ライズ/2か月半(オーダーストップ中)

【レクサス】

・LS LC LX/生産時期不明(現行型オーダー終了)
・RC/ガソリン車3か月半/ハイブリッド6か月半
・RC F/4か月
・IS/ガソリン車3か月半/ハイブリッド5か月
・RX/ガソリン車4か月/ハイブリッド3か月

●操業停止による納期影響中【15日前後遅延】の車種(生産影響を反映した後の納期)

・クラウン/ガソリン車3か月、ハイブリッド3か月半
・カムリ/3か月半
・プリウスPHV/4か月
・カローラ/ガソリン車2か月半、ハイブリッド2か月
・カローラツーリング/ガソリン車2か月、ハイブリッド1か月半
・RAV4/ガソリン車2か月半、ハイブリッド2か月半(ガソリンオーダーストップ)
・C-HR/ガソリン車2か月半、ハイブリッド2か月半
・カローラスポーツ/ガソリン車1か月、ハイブリッド1か月半
・GRヤリス/4か月半
・グランエース/3か月半
・レクサス UX300e/2か月半
・ピクシスメガ・ジョイ/2か月半
・コペンGR-S/3か月半

●操業停止による納期影響小【ほぼ遅延無し】の車種(生産影響を反映した後の納期)

・プリウス/1か月半
・アルファード・ヴェルファイア/ガソリン車1か月、ハイブリッド2か月
・ノア・ヴォクシー・エスクァイア/ガソリン車1か月、ハイブリッド2か月
・カローラフィールダー/ガソリン車1か月半、ハイブリッド車2か月
・ヤリス/ガソリン車3か月、ハイブリッド3か月
・アクア/1か月半
・ルーミー/1か月
・UX/ガソリン車2か月半、ハイブリット2か月半

【画像ギャラリー】ヤリスクロスは何ヶ月待ち?? トヨタ・レクサス車納期遅延リスト

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