■快適性を維持したシャシー
単に高性能とするのではなく、ロングドライブでの快適性も重視しているのが、アルピナの特徴のひとつ。サスペンションは、アイバッハ社製スプリングとアダプティブダンパーを組み合わせたアルピナスポーツサスペンションを採用。
ハイパワーを巧みに操れるように、ベース車同様に、xDriveをベースに開発された4WDシステムも備える。また俊敏な動きと正確な操作を実現するインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングやリアのトランクションを向上させる電子制御LSDも与えられた。
■ひと目でアルピナとわかるクラシックデザイン
アルピナの存在感を高める重要な役目を担うのが、エクステリアだ。必要な冷却特性や空力特性を考慮しながら、デザインされる専用エアロデザインは、伝統的なアルピナらしさにあふれるもの。アルピナロゴ入りフロントスカート、ボディサイドに輝く金色のデコライン、細やかなスポークデザインの大径アルミホイールなどは、歴代モデルに受け継がれるアイコンだ。
■BMWよりも上品なインテリア
基本的なデザインは、BMW8グランクーペのものを受け継ぐインテリアだが、各部の装飾や素材選びなどは異なる。レザー内装は、手触りに優れるメリノレザーを使用。
さらにウォールナット仕上げのウッドパネルトリム、レーザー刻印によるアルピナエンブレム入りのクリスタルiDriveコントローラー、専用デザインとなるデジタルメーターパネル表示など各部を専用仕上げとしている。これらの差別化が生む快適な操作空間がBMWではなく、アルピナを操っていることをドライバーに実感させるのだ。
■M8よりもずっと高価な存在
日本での販売価格は、左ハンドル車が2557万円。右ハンドル仕様は、45万円高のオプションとして用意される。ちなみに、アルピナを象徴するボディカラーの「アルピナブルー」と「アルピナグリーン」は、63万円の有償色だ。
この価格は、BMW8グランクーペで最も高価なM8コンペティションの2437万円に対して、さらに120万円も高いことを意味する。サーキット走行を意識したM8コンペティションは、よりスポーツ性に特化されているが、アルピナは公道でのオールマイティさを重視しており、乗員の快適性も大切な性能のひとつとして捉えている。
また、アルピナ全体の年間生産台数は1500台くらいと少ないので、選ばれし者のためのBMWでもある。しかし、BMWよりも高価となるのは、すべてのアルピナに共通する。それでも、日本へは毎年200台前後のアルピナが上陸しているのだ。それは触れた者だけが知るアルピナマジックと呼ばれる独自の魅力に心を奪われるからなのだろう。
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