■よりアグレッシブかつレーシーに進化した「A110S」
新型A110最大の目玉となるのは、スポーツ性を高めた「S」の大幅な進化にある。上記のエンジンチューニングに加え、リセッティングされたスポーツシャシーを採用しているのが特徴だが、新オプションとして、A110初のエアロキットを用意したのも大きなトピックとなる。
エアロキットは、カーボン製リアスポイラー、カーボン製フロントブレード、リアディフューザー、フロントフェアリングなどで構成。このキットを装着することでダウンフォースを向上させ、A110Sの最高速度を260km/hから275km/hまで高めることができるという。
しかもリアスポイラーの装備は、A110シリーズで初の試みだ。さらにタイヤもセミスリックタイヤである「ミシュランPSカップ2コネクト」に変更され、その本領をサーキットでしっかりと引き出せるように仕上げられているというから、楽しみだ。
■新たな仲間に加わった高性能ツアラー「GT」
S同様のハイチューンエンジンを搭載する新グレード「GT」は、快適なロングドライブを楽しめるグランツーリスモとして仕立てられている。そのため、シャシーは、ベースと同じアルピーヌシャシーを採用。快適装備として、リアカメラ付きのパークアシスト、調整可能なレザーコンフォートシートが与えられている。
性能面では、0-100km/h加速4.2秒と最高速度は260km/hはS譲りだが、Sのように最高速度が向上されるエアロキットは非設定となり、タイヤサイズも、同じ18インチでも、Sよりも幅の狭いものとし、快適性を意識しているようだ。ちなみにブレーキシステムは、Sと同様のものとなる。
■ファインチューニングを受けたA110も見過ごせない
高性能化された「S」と比べ、大きな変更がないように思われるベースの「A110」だが、実は、足回りのリセッティングを実施。ブレンボ製ブレーキシステムを継承しながらも、ディスクサイズをやや小ぶりとし、タイヤサイズも1インチダウンの17インチ仕様に変更しているのだ。
ただし、最高速度250km/hと0-100km/h加速4.5秒という性能は維持しており、懐の深いアルピーヌシャシーによる軽快な走りを楽しめるファインチューニングが加えられたことが期待される。
■インフォテイメントシステムもアップデート
全車共通の改良点のひとつが新しいインフォテイメントシステムの搭載だ。従来型同様に、7インチのタッチスクリーンを中心としたシステムだが、スマートフォンのようにより直感的な操作を可能に。さらにApple CarPlayとandroid Autoに対応したのもトピックのひとつ。
また、A110Sに標準化され、その他グレードにはオプションとなるアルピーヌ テレメトリックスメニューではブースト圧、油温、トルク、パワー、ステアリング角度、加速度などをリアルタイムに表示。内蔵のクロノグラフによるタイム測定も可能となる。
■新型の日本導入も決定ずみだが……
ベースの「A110」を中心に、硬派な「A110S」とグランツーリスモグレードの「A110GT」の3タイプで構成されるマイナーチェンジモデルだが、すでに日本導入については、アルピーヌ・ジャパンより導入の予告がされているため、日本導入は確実だ。
しかし、導入タイミングや日本仕様の詳細を得るには、もうしばしの時間が必要となる。伝説の名車アルピーヌA110を復活させた新型が迎えた第2章はどのような楽しみを与えてくれるのか、大いに期待が膨らむばかりだ。
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