■理系学生人気度の高さにより、今後技術格差につながってくるかもしれない
ただ、自動車メーカーにとって課題も出てきた。ふたつ挙げておきたい。ひとつ目はトヨタ以外の自動車メーカーが出てこないこと。前出キャリタスのサイトを見ると、トヨタこそ1位ながら、ホンダ8位。日産ですら50位以内に入ってこない。そらそうでしょう。日産というメーカー、客観的に見たら「夢」も「華」も感じない。入りたい企業じゃないです。
スバルだって日本にいると面白そうな企業と言えないのだろう。ダイハツやスズキだって同じ。このままだとトヨタに入ってくる理系のレベルと、50位以下になってしまったメーカーとで大きな差がついてくるかもしれない。名門大学のレベルと、普通の大学のレベルは明らかに違う。それと同じ状況になってしまうということ。
今まで「トヨタも日産も社員のレベルは同じ。収益差が出るのは経営者の責任」などと言われてきたが、このままじゃ違ってくる。下位になってしまったメーカーは、良質の技術者を集めるため努力しなければならないと思う。このままだとトヨタとの差がどんどん広がってしまうかもしれません。日本の自動車産業にとってマイナスだ。
■文系学生にとって自動車メーカーは地味? 人気なく、優秀な人材確保が難しい
ふたつ目は文系の人気度。トヨタですら文系学生からすれば人気ない。自動車メーカーにとっては文系も重要だ。営業戦略を練ったり、経営を見たりする社員は絶対に必要。今のままだと文系の競争率が低いため、どうしても全体レベルからすればほかの企業に負けてしまう。優れた人材を確保するのが難しいということになる。
そもそも日本人の多くは自動車メーカーが我が国における国際収益の半分以上を占めていることを認識できていない。自動車メーカーの収益がなければ、我が国は完全に国際収支で赤字になってしまう。かくなるうえは就職先の人気上位に入り、多くの人材の中から社員を選抜できるような状況にしなければならないと思う。
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