F1、スーパーGT…ドライバーやメカニックの年収は? 自動車業界の給与明細【後編】

F1、スーパーGT…ドライバーやメカニックの年収は? 自動車業界の給与明細【後編】

自動車業界に関わる職業の懐事情を探る本企画。後編の今回は、レースに関わる職業の給与明細を調査。華やかなドライバーや、それを支えるメカニックなどレース界の労働環境や待遇や如何に!? まずは、F1ドライバーの年収に迫る。

文:ベストカー編集部/写真:Ferrari,Daimler,LAT,Glenn Dunbar/Williams,NISMO



F1ドライバーの年収トップは40億越えで錦織圭を凌駕



2014-2015年F1チャンピオンのルイス・ハミルトンは、F1界トップ年収を稼ぐ

下の表はフォーブスが発表した最新版のスポーツ選手長者番付から抜粋したもの。

堂々の世界1位はサッカーのクリスチアーノ・ロナウドで、年収90億円超と、庶民なら即座に仕事を辞めること必至な金額だが、F1ドライバーもその年収は並み居るスポーツ選手に引けをとらない金額。

トップは2年連続チャンピオンのルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)で世界11位の約49億円だ。F1ドライバーでは、ハミルトンに次いでフェラーリのセバスチャン・ベッテル(約43億円)、そしてマクラーレン・ホンダに所属するフェルナンド・アロンソ(約38億円)が名を連ねている。


ホンダを背負って戦う通算2回のF1チャンピオン、アロンソ。近年、優勝からは遠ざかっているが、現役指折りの実力で年俸はF1ドライバーベスト3入り

ちなみにF1以外のレーシングドライバーでは、アメリカで人気を誇るストックカーレース・NASCARのデイル・アーンハートJr.がMLBのヤンキース・田中将大投手を上回る約25億円を稼いでいる。


トヨタも参戦するNASCARは、アメリカで圧倒的な人気を誇るレース。トップドライバーは、メジャーリーガーに匹敵する高収入だ


出典:フォーブス。2016年6月10日時点、1ドル=106.8050円の為替レートで計算

次ページ:F1メカニック、国内スーパーGTドライバーの年収は?



津川哲夫氏が明かすF1メカニックの年収は?


続いてはF1メカニック。自身もベネトンなどで日本人F1メカニックとして活躍した津川哲夫氏に話を聞いた。

「初任給だと俺の現役当時で約310万円。今は520万円ほど。年俸制で次の年も残留するなら給与が20%上がるといったシステムだね」と津川氏。では、その後年俸はどのように上がっていくのだろうか?

「俺が現役だった1990年代前半でも上級メカニックの年収は800万円程度で、これは今も同じくらいだね。さらに、チーフメカニックになると1000万円ほどといった金額になる。でもね、チームの調子が悪くなると一番最初に切られるのはメカニックなんだよ。

ただ、現在のメカニックが“サラリーマン”だとしたら、俺が現役の頃、メカニックは“職人”だった。仕事の範囲も今より広かったし、やりがいはあったよ」


作業を行うウィリアムズF1チームのメカニック。チーフメカニックともなれば1000万円級の年収を手にできるが、契約はシーズンごと。必ずしも継続的に雇用があるわけではない

スーパーGTドライバーでも億単位は一握り


いっぽう、国内で活躍する日本人ドライバーはどうか? スーパーカー手配師でレース界に精通するプリウス武井氏に聞いた。

「スーパーGTのGT500でワークスドライバーのトップだと年収は約1億円。ただ、こういうドライバーは各メーカーせいぜい1人しかいない。GT500クラスでも若手ドライバーだと年俸は500万円ほどになる。平均して約2000万円が相場」と武井氏。


国内トップカテゴリーのスーパーGT GT500クラス。2016年は3メーカー、計15台・30名のドライバーがレギュラー参戦したが、GTドライバーはプロ野球選手以上に給料の開きがあるといえそうだ

では、GT300はどうだろうか?

「GT300で、年俸制で契約しているドライバーはほぼいないハズ。“乗車手当”は出るけど、パーソナルスポンサー契約による収入がメインだから(年収は)人によってまちまちでしょう」

スーパーGTは日本のトップカテゴリーなだけに、もっと高給でもいい気がするのだが……。

レースクイーンの日当はノーギャラの場合も!?


ちなみにレースクイーンの収入を武井氏に聞くと「レースクイーンはほぼ日当契約。トップの人でも1日5万円程度で、なかにはノーギャラの人もいる。日当は平均して1万5000円ほど。でも、レースクイーンとしての露出がほかの仕事に繋がることもあるからね」とのこと。

レースクイーンとして地道に人気を得て、仕事の幅を拡げていく……レースクイーンには、お金以外の効果があるということだろう。


サーキットを彩るレースクイーンたち。そのお給料は思ったより少ない印象だが、7万人以上が集まるイベントでの露出は抜群の宣伝効果があるハズだ

このように、職種によって条件はさまざま。職業なのだからお金は重要だが、もっと大事なのはやりがい。ここまで調査を進めるなかで、不思議と自分の仕事にやりがいを感じていない人は少なかった。“好きこそ物の上手なれ”。クルマ業界への就職も悪くない?