モジュール方式でミドルや小型クラスなど多彩なモデルを展開
今後の市販化プロジェクトも明らかになった。
ライブワイヤーワンに続く第2弾としてミドルクラスの「ライブワイヤー S2 Del Mar」を投入予定。さらに、キムコと提携したスケールダウン版の「S3」、最新技術で航続距離などを改善した新たなフラッグシップ「S4」をリリースしていく。
これらのモデルには「Arrow」という新たな共通プラットフォームが採用される。
モーターをはじめ、バッテリー、インバーターなどがユニットごとに独立し、これらを用途に応じて組み合わせることで多彩なバリエーションを展開可能。バッテリーは大容量のセルを使用し、50、100、350、さらに400V以上の電圧を選択できる。そして冷却方式は空冷または水冷に対応。拡張性が高く、コストの抑制も可能だ。
Arrowは、従来のライブワイヤーワンと違い、バッテリーを強度メンバーとすることでフレームは最小限。軽量コンパクトな車体が期待できる。また、形状が2020年春にスケッチ公開されたフラットトラックスタイルの「EDT600R」と形状がよく似ている。
Arrowのバッテリーユニットには「Revelation700」という文字が見える(ちなみに現行ライブワイヤーバッテリーは「Revelation」と呼ばれる)。これは、EDT600Rの「600」が「700」にシフトされたと予想できる。この数字は、恐らく内燃機関の排気量に相当すると思われ、700ccクラスの車格と動力性能を備えたEVとなるだろう。
なお、キムコは自社の電動モデルにもS3プラットフォームを使用する予定。さらにライブワイヤー社は、ハーレーが2019年に買収したキッズ向けの電動スクーターブランド「STACYC」も取り扱う。
子供時代からライブワイヤーのEVに親しみ、成長に応じて小型→ミドル→大型とステップアップできる。そんな電動バイクの総合ブランドになることをライブワイヤーは狙っているハズ。
今だ電動バイクの覇権争いは先が見えず、混沌としているが、ライブワイヤーが今後リードを広げる可能性は十分ありそう。企業価値がさらに高まり、ライブワイヤー社が「二輪版テスラ」として持てはやされる日が来るのかも知れない。
ヤマハが2022年春から125クラスのEVを国内でもリース販売
ライブワイヤーの上場は、国産メーカーにとって脅威だが、ヤマハ、ホンダも動きを見せている。
ヤマハは2021年12月15日、125ccクラスの二輪EVを報道向けに初公開した。同社は台湾のGogoroからOEM供給を受けて125クラスの電動バイク=EC-05を台湾で販売中だが、自社開発の同クラスEVは初めて。2022年春から欧州と日本で実証実験を兼ねたリース販売を予定しており、以降は台湾や東南アジア圏での投入を予定している。
スペックなどの詳細は未発表ながら、現在発売中の電動スクーター=E-ビーノのようなバッテリー着脱式ではなく、プラグイン充電を採用。航続距離も不明だが、E-ビーノのカタログ数値29kmより圧倒的に長い模様だ。
また、この車両とは別に、50ccクラスのEVスクーターを欧州で販売する。こちらは着脱式バッテリーを採用する予定で、一般販売となるか。
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