カワサキ×ビモータ国内発売! KB4は1000ccなのに250cc並みのコーナリングを実現?

250ccクラス並みのホイールベースに1000ccのパワーを融合

 軽さだけではなく、“リヤラジエター”という革新的なメカも投入される。通常は前方に配置するラジエターをリヤシートに移設することで、エンジン搭載位置を前方に移動。車体のコンパクト化を促進し、ホイールベースは1390mmを実現した。

 この数値は、リッターSSどころか、驚くべきことに250ccスポーツモデルと同等だ。例えば、CBR250RR(ホンダ)は1390mm。Ninja ZX-25R(カワサキ)ZX-25Rは1380mmで、これらに匹敵する。

リヤシートにラジエターを内蔵。お尻の熱が気になるところだが、イタリアらしい挑戦的なメカニズムだ
リヤシートにラジエターを内蔵。お尻の熱が気になるところだが、イタリアらしい挑戦的なメカニズムだ
リヤラジエターは過去にベネリなどが実用化していたが、現行車では本作が唯一。ショートホイールベース+ロングスイングアームで理想的な前後重量配分を実現した
リヤラジエターは過去にベネリなどが実用化していたが、現行車では本作が唯一。ショートホイールベース+ロングスイングアームで理想的な前後重量配分を実現した

 さすがに車重は250に及ばない(2気筒のCBR250RRは168kg、4気筒のZX-25Rは184kg)。とはいえ、1000cc直4のパワーに、250クラスに迫るコンパクトな車体は異次元のハンドリングを見せるはず。2022年春頃、国内のプレス向けに試乗会が開催されるとのことで、今からどんなキレ味なのか楽しみだ。

 ちなみに、リヤにラジエターを設置することで冷却性能が心配になってくるが、30~40km/hまでの低速時はファンが回転するものの、それ以上は冷却効率が高いという。また、ライダーの足元に熱風が来ないのもポイントだ。

 車体を横から見ると、フロントからテールまでサイドにブーメラン型の意匠があるが、これはリヤラジエターに走行風を導くためのエアダクトを兼ねている。

ラジエータへ導風するエアダクトを左右に装備。走行風に圧力が掛かかりやすい構造で、内部のパネルまでもカーボン製だ
ラジエータへ導風するエアダクトを左右に装備。走行風に圧力が掛かかりやすい構造で、内部のパネルまでもカーボン製だ

 足まわりについても全てグレードの高いパーツに換装済み。オーリンズ前後サスとブレンボ製ブレーキ、OZレーシング製アルミ鍛造ホイール、ピレリ製スーパーコルサSPとイタリア製で統一した。

 スイングアームは、航空機用のアルミ合金=アンチコロダルから削り出した3パーツから構成。ねじれ剛性に優れ、表面のライン加工も呆れるほどに美しい。

航空機用のアルミ材から削り出したスイングアームは実にお高そう。サスは前後ともオーリンズで、FフォークはFG R&T 43 NIX30、リヤはTTX 36だ
航空機用のアルミ材から削り出したスイングアームは実にお高そう。サスは前後ともオーリンズで、FフォークはFG R&T 43 NIX30、リヤはTTX 36だ

往年のKB1らをオマージュした美しき野獣

 デザインもKB4の欠かせないポイントだ。

 ビモータCOOのピエルルイジ・マルコーニ氏によると、特にデザイン上のモチーフがあったわけではなく、「まず機能ありきで設計した」という。その後、カワサキ製エンジンを積むKB1、KB2、KB3ら往年のマシンからインスパイアを受け、KB4をデザインした。

 丸1眼や全体のフォルム、さらにリキッドレッドに塗られたフレームも往年のモデルを踏襲。1978年のKB1から43年の時を経て、KBシリーズのスピリッツが息づいている。

1978年、カワサキのエンジン(Z900 / Z1000)を初めて搭載したKB1が誕生。偶然にもベース車のニンジャ1000SXと同様、水平マウントしたリヤサスを持つ
1978年、カワサキのエンジン(Z900 / Z1000)を初めて搭載したKB1が誕生。偶然にもベース車のニンジャ1000SXと同様、水平マウントしたリヤサスを持つ
シートは本物のレザー! イタリアの高級革財布を思わせる質感だ。バイクで本革が使われるのは珍しく、雨の日には乗れないかも?
シートは本物のレザー! イタリアの高級革財布を思わせる質感だ。バイクで本革が使われるのは珍しく、雨の日には乗れないかも?
燃料タンクは独自の樹脂製で軽量化を追求しつつ容量19.5Lを確保。手塗りによるペイントも美麗だ。一方メーターやリッドなどニンジャ1000SXの共通パーツを上手く流用している
燃料タンクは独自の樹脂製で軽量化を追求しつつ容量19.5Lを確保。手塗りによるペイントも美麗だ。一方メーターやリッドなどニンジャ1000SXの共通パーツを上手く流用している

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