2気筒ってマジか! カワサキZ650RS正式発表 令和のザッパーが2気筒のワケ

2気筒ってマジか! カワサキZ650RS正式発表 令和のザッパーが2気筒のワケ

 9月27日、カワサキが欧州で新型Z650RSを正式発表した。当Webの予想通りの姿で登場し、ベースにはネイキッドのZ650が使われている。軽量コンパクトで大型バイク初心者に扱いやすいモデルがベースになることでZ-RSシリーズの間口を広げ、より多くのファンを獲得できるだろう。

 一方、Z650RSは空冷Z650の生まれ変わりという位置づけだが、並列4気筒エンジンを採用していた同車に対して並列2気筒エンジンを採用しており、これに賛否両論が集まっている。ここでは、その理由も探ってみたい。

文/市本行平、写真/KAWASAKI

【画像ギャラリー】新型Z650RSの詳細解説、令和版ザッパースタイルの全貌


車重はわずか187kg! Z900RSよりも28kg軽量な車体がザッパーの証

 初公開されたZ650RSは、Z900RSと同じZ1スタイルのティアドロップタンクとテールカウルに丸形のヘッドライトを装備して登場してきた。外観だけでは、Z900RSと見分けがつかないほどだが、位置づけは900の弟分でサイズも一回りコンパクトだ。

 Z650RSの排気量は649ccで、Z900RSに対して299cc小さく68PSの最高出力も43PS低い数値となる。その分サイズはホイールベースと全幅が65mm小さく、際立っているのは187kgの装備重量。これは900の215kgよりも28kgも軽量で、250ccのZX-25Rよりもわずか4kg重いだけだ。

 ZX-25Rは、並列4気筒エンジンを搭載したモデル。同じ250ccで並列2気筒エンジンを採用したニンジャ250の車重は166kgなので、エンジン型式の違いが車重に直結することがよく分かる。そしてこれが、Z650RSが並列2気筒エンジンのZ650をベースにした大きな理由と考えられる。

 オリジナルモデルの空冷Z650は、Z1よりも約20kg軽い車体による軽快なハンドリングでザッパーと呼ばれたモデル。ザッパーとは、英語で俊敏に動くという意味などを持つZapからくる造語であり、空冷Z650のキャラクターを端的に表している。Z650RSはこれを受け継ぐために、エンジン形式よりも軽量さを重視したのだろう。

正式発表されたカワサキZ650RS。こちらは空冷Z650のカラーリングを模したキャンディエメラルドグリーン。タンクの金と黄緑のラインも再現している
正式発表されたカワサキZ650RS。こちらは空冷Z650のカラーリングを模したキャンディエメラルドグリーン。タンクの金と黄緑のラインも再現している
こちらはメタリックスパークブラックで、1970年代風のラインが施されている。空冷Z650にはないZ650RS独自のカラーとなる
こちらはメタリックスパークブラックで、1970年代風のラインが施されている。空冷Z650にはないZ650RS独自のカラーとなる
メタリックムーンダストグレー×エボニーのツートーンカラーも用意。過去の様式にとらわれない今風のデザインも用意している
メタリックムーンダストグレー×エボニーのツートーンカラーも用意。過去の様式にとらわれない今風のデザインも用意している
1976年に登場した元祖Z650。空冷並列4気筒エンジンは652ccで64PSを発揮。Z1よりも20kgほど軽量だったこともあり、ザッパーと呼ばれた
1976年に登場した元祖Z650。空冷並列4気筒エンジンは652ccで64PSを発揮。Z1よりも20kgほど軽量だったこともあり、ザッパーと呼ばれた
Z650RSのベースになったのは、ネイキッドモデルの水冷Z650。エンジンや骨格は基本を踏襲しているが、Z650RSの方が2kg軽量となる
Z650RSのベースになったのは、ネイキッドモデルの水冷Z650。エンジンや骨格は基本を踏襲しているが、Z650RSの方が2kg軽量となる

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