■雪道はグリップ限界の低下幅が大きい
昨年から今年初めにかけてボクは北海道の雪上ハンドリングサーキットにいました。そこでレクチャーをしていたのですが、気になったのはスピードのコントロールの甘いドライバーです。
道内の方は巧いのですが、首都圏からいらした方は滑る路面の加減がわからず、減速しているつもりでも路面に対してスピードが速すぎる方が一定数いらっしゃいました。
舗装路でのスピード感のまま圧雪路を走ってしまう方も何人かいらっしゃいました。舗装路面だとタイヤのグリップ限界ははるか上にあるわけですが、雪道の場合はわずか数km/hの違いでグリップ限界をあっさり超えてしまうこともあるわけです。
それだけ路面のグリップ(μ)が低いのですが、それが実感としてわかっていない方がいるわけです。
■雪道のグリップ限界を確かめる方法
雪道の運転に慣れない方にお薦めの効果的なグリップ限界の感じ方は、ブレーキを強めに踏んでABSを効かせてみることです。ボクも雪道に入ってまずやるのがABSを効かせてみることです。もちろん後続車がいないことを確認してです。
できれば停止するまで(ここ重要です)、ABSを効かせ続けてみるといいと思います。同じ圧雪路でも、路面によって案外強めに減速感が出るところもあれば、減速感があまりなく、ABSだけがガリガリ言っているなんて路面もあります。
ちょっと効かせただけではわかりにくいので、(状況が許せば)、完全停止するまで踏み続けます。特に20km/hを下回ってからの減速感は、ブレーキの効きとして実感しやすいようです。
■「縦グリップ」を感じ取れ
人間は偉いもので、縦ブレーキでグリップの様子がある程度わかると横グリップもある程度想像がつくんです。少なくとも舗装路と同じように曲がるとしても滑ってしまうだろうな、という想像というか、イメージができるんです。
だから縦と横のグリップバランスの悪いスタッドレスタイヤをボクは高く評価しません。
ハンドリングサーキットでも幾度か雪上でABSブレーキを体験してもらうと、カーブでのオーバースピード度合いがぐっと少なくなるんです。
『極意』というほど大げさなものではありませんが、雪道を走る時に注意しておいてほしいのは『止まること』なんです。舗装路では止まるのは当たり前、特に街中の日常的スピードならブレーキを強く踏めば短く止まります。
でも雪道ではブレーキを踏んでも止まりにくいし、止まらない場所や路面もあるんです。ですから、いつも止まることを意識して走るのが大切なんです。ABSを効かせるブレーキも1回だけじゃなく、シャーベット路、山の裏側(北斜面)街中など、路面が変わったら(安全を確認したうえで)試してみるといいと思います。
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