「新型デリカD:5は雪上のランエボだった!?」 三菱北海道雪上試乗会

「新型デリカD:5は雪上のランエボだった!?」 三菱北海道雪上試乗会

三菱自動車といえば、パジェロをはじめ、ギャランVR-4やランサーエボリューションなど、昔から四駆のスペシャリストメーカーという印象が強い。

その三菱が誇る最新4WDを、北海道の雪上で一気に試乗できるというので参加した。舞台となったのは新千歳モーターランド。試乗車は発売したばかりの新旧デリカD:5をはじめ、アウトランダーPHEV、エクリプスクロスの3台。

さて、最新の三菱4WD軍団は雪上路でどんな走りをみせてくれるのか? モータージャーナリストの鈴木直也氏が徹底試乗!

文/鈴木直也
写真/三菱自動車


1月下旬、極寒の北海道・新千歳モーターランドにて三菱の雪上試乗会が行われた。試乗車は左からアウトランダーPHEV、デリカD:5アーバンギア、デリカD:5、エクリプスクロス

最近お騒がせのルノー・日産・三菱アライアンスだが、さまざまな思惑は抜きにして、「いま3社のなかで技術的に最も注目すべきは三菱ではないか」と北海道千歳で行われた三菱の雪上試乗会に参加してそう思った。

とりあえずは雪上試乗会なんだから、低ミュー路面で4WDの性能を体感するというのが基本なのだが、そこに持ち込まれたクルマがみんなそれぞれユニーク。こんなに幅広いジャンルの4WDを揃えているのは、国産では三菱だけといってもいい。

デリカD:5はミニバン随一のタフなアウトドア性能が売り。ワンボックスで野越え山越えするなら選択肢はこれしかない、という個性派だ。

アウトランダーPHEVは前後2モーターによるきめ細かなトラクション制御が注目。かつてランエボで世界を驚かせた三菱のAYC技術はこのクルマに受け継がれていて、電動4WDとしてはもっとも先進的な制御が行われている。

エクリプスクロスは一見するとただのコンパクトSUVだが、電制カップリングという平凡な素材を使っていても、三菱お得意のS-AWD技術を盛り込むことでライバルとはひと味違った走りを実現できるという見本。

というわけでこの3車、それぞれひと癖もふた癖もあるサムライ揃い。ただの4WDと思ったら大間違いなのだ。

一番の注目は新型デリカD:5の走り!

左から鈴木直也氏と増岡浩氏、三菱自動車のスタッフさんたち。当日の気温はマイナス3〜7度、変わりやすい天候だった概ね晴れていた

新型デリカD:5の雪上性能はどうなのか、本気で走ってみた

新型デリカD:5は写真でおわかりのとおり、新しいデリカD:5は三菱でいうところのダイナミックシールド顔が与えられたデリカD:5

20181121日から予約注文を開始し、2月中旬時点での予約受注が5000台を突破、好調なスタートを切っている。2019215日に価格が発表され、正式に発売されたので、さらに販売台数が増えていくだろう。

価格は表のとおり。ガソリン車については継続販売される。

※ガソリン車は変更なく継続販売される

実は、ボクが最初に新型デリカD:5写真を見たときには「ギラギラ、オラオラ系の顔はちょっと」と引き気味だったのだが、明るい太陽の下で実車を見ると「そんなに悪くないじゃん」と、アッサリ自論撤回。

グリルのギラギラ感もアルファードあたりよりは控えめで、こういうテイストは高価格帯のミニバンを買うユーザー層には必須のアプローチなのかも、 と納得しました。

ほぼ全面改良となったインテリアも、ソフト材の多用で高級感が大幅に向上している。ダイヤモンドキルトのステッチをあしらったシートともども、リッチ層のユーザーに分かりやすく訴求する作戦。ここは誰が乗っても異論なく新型圧勝と判定されるでしょう。

しかし、今度のデリカD:5が凄いのは、ここまで縷縷と説明してきたエクステリア/インテリア改良がまだ序の口。なんと、エンジン/トランスミッション/シャシーなど、走りに関するメカニズムもほとんど全面的な改良が施されているのだ。ビッグマイナーチェンジのレベルを超えたフルチェンジ並みの改良なのだった。

4N142.2Lディーゼルターボエンジンは、基本ブロックこそ従来型を踏襲してるものの、尿素SCRの採用、燃焼室形状の変更、新世代直噴インジェクターの採用、ムービーングパーツの見直しによるフリクション低減など、あらゆる部分に手が入れられている。

次ページは : ■旧型からの進化ぶりはどうだったのか?

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