「21世紀に話し合いはできると信じています」
回答してくれたのはウラル・ジャパンCEOのブラド氏だ。
「2月24日に『平和を祈っている』というメッセージを表記して、26日に『STOP WAR NOW』を出しました」という。
このメッセージは、「米国にあるウラル本社と日本支部であるウラル・ジャパンの発信」で、「私も在日ロシア人として強く戦争に反対しています」とブラド氏は綴る。
なお、筆者はウラル本社がロシアにあると勘違いしていたが、現在は「ウラルモーターサイクルズ」として米国ワシントン州レドモンドのIrbit Motorworks of America,inc. が経営。ロシア工場で車両や部品が生産されている。
ロシアのウラルHPにも同様のメッセージが表示されているのか気になったので質問すると、「表示されていないです。ロシアではそのようなメッセージを表示したら、現在は非常に危ないです。刑事事件になる程です」とのこと。
改めて「STOP WAR NOW」のメッセージに込められた思いを聞いた。
「それはシンプルです。言葉通り『戦争を止めろ』ということです。21世紀に話し合いはできると信じています」(ブラド氏)。
新規生産は保留中ながら、4~5月に日本への便が到着予定
現在の生産状況や今後の入荷見通しに関しては、ウラル本社とウラル・ジャパンHP内の「ウラルニュースレター」に本社声明文として明記されている。
これによると現在、工場での新しいバイクの製造は保留中。車両と部品の入ったコンテナがいくつかあり、現在3月(米国行き)と4~5月(オーストラリア、日本)に到着する予定という。
また、製造済みの出荷を待っているコンテナも多数あり、主な課題である海上輸出の方法について模索中。「日本ルートについては既存ルートが依然使用可能」という。
この「日本ルート」に関して、ブラド氏に尋ねてみると「部品・アクセサリーは問題なく今までと同様に提供させていただきます。車両は、今まで注文されたものを日本に輸入して、お客様に納車いたしますが、新規注文の受付は現在停止しております」との回答だった。
部品については生産が継続されており、外部サプライヤーからの部品は直接転送されている。そして、日本法人とディーラーによる保証、技術サポートは中断されないという。
大阪&東京モーターサイクルショーの出展も取り止めに
さらに3月8日付で、ウラルジャパンが出展を予定していた3月19日(土)~3月21日(月)開催の大阪モーターサイクルショー、および3月25日(金)~3月27日(日)開催の東京モーターサイクルショーについて参加取り止めを発表。
「昨今の情勢を踏まえ、社内で慎重に検討した結果、今大会での展示は適切ではないと判断」したとHPに記載されている。久々のMCショーだっただけに、ウラルジャパンとしては苦渋の決断であり、ファンにとっても残念だったことだろう。
いつの時代も戦争を望むのはごく少数の支配層であり、犠牲になるのは常に無辜の一般市民。もちろん文化や製品に罪はない。もはや叶わないかもしれないが、ブラド氏のコメントのとおり今からでも「話し合い」による平和裡な解決を望みたい。
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