■欧州車のエンジンオイル交換サイクルは長い
ちなみに、欧州車は全般的にオイル交換サイクルが長い。例えば、BMWなどは2万5000㎞と突出した距離が指定されているが、これは単純に「走行距離」で管理しているのではない。
インジェクションの開弁時間、回転数、油温、走行距離、時間等、センサーによるオイル内のカーボン量チェックといった総合的なデータをコンピューターで演算処理して適切な交換タイミングを算出し、「サービスインターバルインジゲーター」を点灯させることで交換時期を知らせている。
つまり、走行条件に応じた交換サインであって、何が何でも2万5000㎞というわけではないのだ。
そのような明確な指針を示すインジケーターが装着されていない国産車の場合、標準となる「ノーマルコンディション」の他に「シビアコンディション」という標準時の半分の距離が指定されているケースが多い。
■シビアコンデシションとは?
この「シビアコンディション」、悪路走行が30%以上、走行距離が多い、山道など上り下りの頻繁な走行が30%以上といった、オイルに負担がかかる過酷な使用条件下における交換サイクルで、これに該当したなら早めに交換する必要がある。
が、近くに買い物に行ってエンジンが温まらないうちに帰ってくる「ちょい乗り」や真夏の渋滞時の「のろのろ運転」も立派な「シビアコンティション」。
完全に暖まらない状態で止めるとエンジンオイル内の水分(結露)が抜けず、これが原因でスラッジを発生。不完全燃焼によるガソリンの燃え残りの混入量も増加する。
のろのろ運転では取り込んだ熱を十分に放出することができずに油温が限度(一般的なエンジンオイルで130℃)を超えると性能が一気に低下。
いずれにしろオイルの劣化が早まるからだ。 もしも、これらに該当する使い方を繰り返していたなら、「シビアコンディション」での交換サイクルを検討する必要がある。
また、熱が加わり空気に触れた状態に置かれると酸化して潤滑能力が低下してくるため、距離を走らずとも1年に1回は交換する必要もある。一般ユーザーが1年間に走る距離はせいぜい1万㎞。
■ノーマルコンディションのオイル交換時期は1年1回、1万km!
ノーマルコンディションかつターボでなければ1年に1回を目安に交換としてもよいだろう。また、オイルフィルターはオイル交換2回に1回交換と一般に言われているが、これは3000~5000㎞という短い交換サイクルを前提とした話。1万㎞前後走るならオイル交換と同時が原則だ。
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