「オイル交換って必要?」現代オイル交換事情に喝!! 必要に決まってんだろ!!

■ハイブリッドやディーゼルだと、オイル交換時期、オイルの種類はガソリン車と違うのか?

ハイブリッドの場合、純ガソリン車のオイル交換サイクルは変わってくるのか?

エンジンとモーターを併用して走行するハイブリッド車といえど、搭載しているエンジンは内燃機関のガソリンエンジン。カーメーカーによっては専用オイルが用意されているケースもあるが、基本的には一般のガソリンエンジン用と同じ物を使用。交換サイクルもガソリンに準じたもので特に違いは無い。

一方、燃料に「軽油」が使われているディーゼルエンジンにはガソリンエンジンとは異なる性能が求められる。軽油にはガソリンより多くの「硫黄分」が含まれているからで、燃焼時に「硫黄酸化物」を生成。水分と反応することでエンジン内部を腐食させる「硫酸」へと変化する。

内燃機関は燃焼時、燃焼行程で高圧となった排ガスや未燃焼の混合気がピストンとシリンダー間の隙から、エンジンオイルが溜られているクランクケース内へと漏れ出す現象が発生する。

これを「ブローバイガス(未燃焼ガス)」と呼び、有害な物質を多く含むため現代のエンジンは吸気マニホールドに戻すことで再燃焼させているが、エンジンオイルにも混ざり込む。このため、ディーゼルエンジンの場合、ガソリンより生成されやすい「酸」が問題となってくる。

そこで、ディーゼル専用オイルには「酸」を化学的に中和させる「アルカリ成分」が添加剤として多めに加えられている。この点がガソリンエンジン向けに開発されたオイルと主に異なる部分で、ディーゼルエンジンにはディーゼル専用オイルの使用が原則となる。

エンジンオイルはディーゼル車専用のAPI規格がある

なお、APIサービス分類でガソリンエンジン用は「SJ、SL」といった具合に「S」から、ディーゼルエンジン用は「CE、CF」といった具合に「C」から始まる記号でグレードが表記されている。

が、「SL/CF」といった具合に両規格記号が並記されているエンジンオイルも存在する。これはディーゼル/ガソリンどちらにも使用することができる「ユニバーサルオイル」と呼ばれるタイプで、これ以外はガソリン、ディーゼルそれぞれ専用となるため、オイルを選定するときは注意が必要だ。

また、カーメーカー指定のオイル交換サイクルは、一部メーカーを除いてガソリン・ノンターボにほぼ準じる。オイル交換時期は基本的にこのメーカー指定に従っていれば問題ないが、ディーゼルはガソリンエンジンよりもオイルが汚れやすいためこまめなチェックと早めの交換を心がけたい。

ディーゼル車のエンジンオイルのAPI規格表

■季節によってオイルの粘度は変えなくていいのか?

SAE(米国自動車技術者協会の略称)規格によって、どれだけ温度変化に耐えうるかを示す基準が設けられ、粘度分類記号が決められている

エンジンオイルに求められる性能は使用するエンジンや季節によって異なる。しかも、エンジン自体の性能向上に伴って要求能力は年々厳しくなってきている。

このため、エンジンオイルには国際的な基準が設けられていて、品質の違いを一目で判断できるようにしてある。それがオイル缶に表示されている「SM、SN」いったAPI(米国石油協会の略称)規格の表示で、SJ→SL→SM→SNの順にグレードがアップしていく。

また、オイルは熱が加わることで「粘度」、つまりねばり具合が低下するため、物によっては夏場の渋滞路といった高温時に満足な潤滑が行えなくなる可能性がある。

そこで、どれだけの温度変化に耐えうるかを示す基準も設けられている。それを示す表示がSAE(米国自動車技術者協会の略称)規格の「10W−30」といった粘度分類記号で、「−」を挟んで2種類の数字が表示されている場合、前半のW付きの数字が小さいほど低温でも軟らかく、右の数字が大きいほど硬く高温に強いことを表わしている。

つまり、冷えているときには軟らかく、熱が加わっても一定の潤滑能力を保てるという、温度変化に対する幅広い許容性を持つことを意味しているわけ。このようなオイルを「マルチグレードオイル」と呼び、基本的に年間を通して同じ物を使用することができる。

とはいえ、許容範囲には自ずと限界があり10W-30、20W-50という具合に許容範囲が異なる種類があり、熱的に厳しくかつオイルの性能に敏感に反応するエンジンの場合、夏場と冬場で異なる粘度指数のオイルを使用する必要もでてくる。硬いとそれだけ回転抵抗となるため、冬場は柔らかくしたほうが始動性や燃費に有利に。高温となる夏場は硬くすることで油膜切れを防ぐためにだ。

しかし、このような使い分けを必要としたのも昭和モデルや平成初期の古いクルマの話し。近年のクルマではわざわざ入れ替える必要はない。

「SM、SN」グレードといった省燃費オイルは各種高性能添加剤のおかげで0W−20といった超低粘度でもしっかり油膜を確保。夏でも油膜が途切れることはなく、冬場に硬くなることもないため始動性等の問題が生じることもないからだ。

ただし、交換する時は取扱説明書に記載されている「グレード」と「粘度表示」に合致する物を選定することが重要となる。記号や数字が1文字でも異なれば温度変化に対する適応能力が違ってくるからで、選定を誤ればトラブルの要因となるので要注意!

なお、グレードと粘度の両者が指定品と合致するものであれば社外ブランド品を利用しても何ら問題はない。が、自信がなければ純正オイルの利用が無難だ。純正オイルはあらゆる条件下で自社のエンジンの性能を引き出すことを目的に開発されているため、性能のバランスといった面ではもっともフィットするからだ。

次ページは : ■保存版 各メーカー別の推奨オイル交換時期を一挙公開!

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