「オイル交換って必要?」現代オイル交換事情に喝!! 必要に決まってんだろ!!

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みなさん、愛車のオイル交換時期をちゃんと知っていますか? かつては5000kmごとまたは年2回、いや1年1回1万kmなどと、さんざん言われきたが、クルマがかなり進化しているので、昔とはかなり変わってきているハズ?!

ということで、いまのクルマの正しいオイル交換時期はいつなのか? モータージャーナリストの鈴木伸一氏がズバリお答えします。各メーカーの推奨オイル交換時期も一覧にして掲載したので、愛車のオイル交換時期が知りたい方は、ご覧あれ!

文:鈴木伸一/写真:ベストカー編集部


■エンジンオイルは日々進化している!

カー用品量販店に行って夏冬粘度の違うオイルを愛車に入れてというクルマ好きは少数派になってしまったのかもしれない。ほとんどの人はディーラー任せなのだろうか

エンジンオイルには、燃料の燃焼時に高温となり、金属パーツが高速で摺動(こすれ合う現象)するエンジン内部という過酷な条件下で、途切れることのない安定した潤滑を行うという重要な役割がある。

しかも、エンジン内部には燃焼によって生じるカーボンや不完全燃焼による不純物が滞積しやすく、それが原因で冷却効率が低下したり腐食・摩耗が促進するなどの難問も抱えている。

このため、エンジンオイルに求められる性能は多岐に渡る。主目的の「潤滑作用」の他に、エンジン内部をサビから守る「防錆作用」、クリーンに保つ「洗浄作用」、ピストンとシリンダーの機密性を保つ「密閉作用」、温度を下げる「冷却作用」といった複数の働きが求められる。

そこで、目的の性能が得られるようベースオイルに様々な添加剤が加えられている。その量は約20%にも達し、潤滑能力を高める「摩擦調整剤」、エンジン内部をクリーンにする「清浄分散剤」といった、多彩な添加剤が配合されているのだ。

また、平成初期からエンジンの性能は飛躍的に向上しており、小型化・軽量化する半面、出力は年々アップ。さらに、地球温暖化の要因である二酸化炭素の節減、限りある石油資源の抑制。つまり、環境対応や燃費の改善も重要な課題となってきた。

このような背景から1993年に実施されたAPI改定により省燃費性能の向上、有害な排気ガスの低減、エンジンオイルの耐久性の向上といった環境対策を目的としたAPI:SH/ILSAC:GF-1グレードが登場。それ以降、降環境対応へのさらなる強化、経済性の追求から2010年には現在の最高グレードとなるAPI:SN/ILSAC:GF-5へと進化。

API規格のグレード表。最上級はSNグレード

平成初期のオイルとはまるで別物といえるほど耐久性(ロングドレイン性)がアップしている。API規格のSF/SG時代のクルマはノンターボでも5000㎞超えると明らかに回りが重くなり、音も大きくなるなど、五感で察知できる劣化症状が現れた。

が、SN以降の省燃費オイルを使用している近年のクルマであれば、5000㎞を超えても変化なく1万㎞くらいは特に違和感なく走れてしまう。

■国産車のメーカー指定オイル交換サイクルは1万〜1万5000km!

このため、国産車では一般的な1万~1万5000㎞というメーカー指定のオイル交換サイクルは無理なくクリアできる。 ただし、走行条件によってエンジンオイルへの負担は変化する。

例えば、1㎞走るのに渋滞に巻き込まれて1時間かかった場合と、ガラガラで数分で走り抜けた場合とではエンジンオイルに対する負担は大きく異なる。

このため、本来はエンジンの稼動時間などで管理すべきところを便宜的に走行距離や期間を交換サイクルの目安としているのが実情で、カーメーカーの指標はあくまで最大公約数。一般ユーザーの走行環境とは異なる状況下でのテスト値なため、一定のコンディションを維持したいなら性能を100%使い切るのでなく余力を残した状態で交換する必要がある。

左が未使用のエンジンオイル。右が1万km走行時のエンジンオイル

環境問題という立ち位置で考えれば、指定の最大距離まで走らせるべきだが、それに固執するがあまりエンジンの調子を損ねてしまったら元も子もないからだ。

例えば、オイルに取り込むことができる汚れの量は物理的に限られるわけで、レベルゲージに付着したオイルが目視で明確に判定できるほど真っ黒く汚れていたら、汚れの排出を目的として交換するべき。排出されずにエンジン内に堆積してしまった汚れは簡単には落とせず、限界に達すれば潤滑不良の原因となるからだ。

次ページは : ■欧州車のエンジンオイル交換サイクルは長い

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