2台試乗してみてわかった! ランクル300とレクサスLXの「質の違い」って何よ?

■ランクルはあくまでもスポーティ路線

 LXに試乗する前に、ガソリンエンジンの「GRスポーツ」と、ディーゼルの「ZX」にも試乗した。

 その時の印象だが、ガソリンのほうは3000回転でもエンジン音は伝わるが、ノイジーな音質ではなかった。アクセルレスポンスも1800回転からタイムラグなく反応し、スポーティ感は充分。

スポーティなランクル300。GR SPORTは機能面でノーマルに対し、足回りが強化されている
スポーティなランクル300。GR SPORTは機能面でノーマルに対し、足回りが強化されている

 10速ATはパドルシフトレバーはないが、手許のシフトレバーをMモードにシフトすれば、マニュアルシフトも可能。0-100km/h加速は、Dレンジで6秒台を出した。この時、V6エンジンは5500回転まで上昇し、シフトアップした。

 GRスポーツは、世界のオフロードラリー参戦のベース車両としてチューンされている。そのために足回りは強化され、電子制御でスタビライザー効果を変化させるE-KDSSというシステムが世界で初めて実用化された。

 これは前後のスタビライザーを独立して自動で電子制御する技術。その効果か、モードセレクトを「ノーマル」のままでも街中から高速までやや重めの操舵力と強めの直進性で走らせる。乗り心地は細かいゴツゴツ感と若干の横揺れが発生していた。

■素のランクルにはハテナが浮かぶ

 気になったのはノーマル仕様のランクルだ。こちらはディーゼル仕様だったので動力性能は別として、ノーマルモードでは路面の上下に対しての動きが大きく、ブレーキング時のノーズダイブも大きかった。さらにブレーキも踏力を要し、しかも効きが甘めだった。

 特に高速からの減速では、ヒヤッとさせられることが多かった。タイヤもGRスポーツは18インチを装着していたのに対し、ノーマル仕様は20インチを装着。明らかにオーバークォリティと思った。

 と、まぁ、最初に出たランクル300には、期待も大きかっただけに、ちょっとガッカリという部分も多かったのは事実。それだけにレクサスLXの出来栄えが気になった。

■いざ、LXの試乗

 試乗は「OFFROAD」。今回のLXから設定されたグレードで、悪路走破性を高めるためにフロント、センター、リアの3カ所にデフロックを標準装備した。タイヤは265/65R18と、偏平率の高いタイヤで悪路での路面追従性を高めている。ランクルのGRスポーツほどモータースポーツ寄りではないが、レクサスブランドにふさわしいスポーツモデルといってよいだろう。

 外観もフロントグリルやホイール、ホイールアーチモールなどはブラック/マットグレーを用い、力強さと迫力を強調している。ノーマル仕様の光ったフロントグリルも豪華で迫力だが、ブラックブライト塗装もおしゃれだ。

 V6、3.4L(カタログやプレスリリースには3.5Lと書かれているが、排気量は3444ccなので3.4Lのハズ。これはLXもランクルも同じ。でもランクルのディーゼルは3345ccで、3.3Lと表記されている。?なのだ)ガソリンエンジンのフィーリングだが、1800回転あたりからトルクが盛り上がるのはランクルと同じ。しかし、4000回転をオーバーしても音の侵入は少ない。遮音効果がかなり高いのだ。

■伊達ではない高級車としての静粛性

 プレスリリースを読むと、フロントガラスを厚くするなどの対策も行なわれている。レクサスブランド最厚の5.76mm厚のガラスだそうだ。それだけではなく、ボディ要所要所に防音材を配している。 

 カタログで車両重量を調べると、ランクルよりも90kgほど重い。そのなかには大量の防音、吸音材が入っているはずだ。

 この車両増や18インチタイヤ装着だけではないのだが、乗り心地もランクルとはかなり違う。まず、路面からのゴツゴツとした振動がない。路面の凹凸通過の際の上下動も抑えられている。コーナーでのロールもランクルほどに大きくない。

 ドライブモードを切り換え、スポーツモードにしても、ランクルはロールを抑えきれていなかったが、LXは違う。

 レクサスのエンジニア陣は、ESやNXあたりからサスペンションチューニングの「何か」を体得したに違いない。それほどにLXの足回りはしっかりとしている。

 ブレーキも同じだ。ランクルではややもすると頼りなさを感じた制動力は、LXでは充分に力を発揮していた。高速からだけでなく、低速域でもノーズダイブは抑えられ、運転者以外の乗員からの不満の声は聞かれなかった。

 加速性能も0-100km/hを6秒台前半で走り切った。充分に速い。

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