矢継ぎ早な改良はユーザーを戸惑わせることも
2つ目はプチ改良に限らない改良全般であるが、「あまりに改良が矢継ぎ早」なケースだ。
非常に古い話になるが、1981年8月登場の6代目スカイライン(R30型)は、発売2カ月後の同年10月に4気筒のスポーツモデルのRS(NAエンジン)が登場。その後1983年2月にターボ付きのRSターボが追加された。
さらに1983年8月にはマイナーチェンジでRS系のフロントマスクマスクが“鉄仮面”と呼ばれたグリルレスに変わり、トドメに1984年2月にはRSターボはインタークーラーが付きパワーアップされた。
よく言えば「たゆまぬ改良」とも受け取れるが、半年ごとに自分の車が大きく改良されたRSターボのユーザーは「たまったものではない」というのが本心だろう。
その現代版に近いのが現行ロードスターである。マツダがスバル同様、各車最低年に1回は改良を行うことは基本的に高く評価できる。
しかし、現行ロードスターは2017年11月にプチ改良といえる小規模な商品改良を受けた後、つい最近(2018年6月)ハードトップのRFでは最高出力が25馬力も、ソフトトップも1馬力向上した。
RFとソフトトップ双方で安全装備の充実やハンドルのテレスコピック(前後)調整の追加といった大規模な改良を受けた。
前者のプチ改良モデルを買ったロードスターユーザーには「この先1年くらい変更はないだろう」と考えたユーザーもそれなりにいることを思うと複雑だ。
このように考えると、前者のプチ改良はスキップして、後者の大幅改良でまとめて行うべきだったのではないだろうか。
地味ながら改良幅の大きいプチ改良車も!
プチ改良は機能面の改良がアナウンスされなければ、装備やボディカラーといった見える部分だけが変わると思いがちだが、乗った印象が「良くなってる」と感じることもある。
その例として挙げたいのが現行インプレッサだ。同車は2016年9月の登場後、2017年9月の一部改良に相当する改良でスバル流にいう「B型」に移行し、現在に至る。
B型での改良でアナウンスされているのはアイサイトの改良をはじめとした安全装備の充実だけなのだが、乗ってみると乗り心地が明らかに改善されるなど、ずっと大きな進化を感じた。プチ改良でもこういった実質的な進化も望みたいところだ。
◆ ◆ ◆
このように一長一短あるプチ改良だが、ユーザーとしては基本的に最新モデルを買いたいもの。そのあたりを上手に考えて車を買うには、自動車メディアやインターネット、ディーラーから情報を集めるしかないだろう。
その上で大幅値引きを前提に改良前にするか、改良後モデルにするか、自分に合った方を選べばよいのではないだろうか。
コメント
コメントの使い方