クルマの走行距離って、使い方によってかなり差があるものです。毎日乗ればどんどん伸びるし、週末レジャーだけなら控えめ。でも気づけば「これってもう寿命?」なんて考える時期が来るもの。だけど「過走行」の基準、普通車と軽自動車ではちょっと違うらしい。今回はその目安を深掘りします!
文:往機人/画像:スズキ、ダイハツ、ホンダ、Adobe Stock
“過走行”とは?
クルマは機械なので、使う度にわずかずつ消耗や劣化が進みます。その進行はごくわずかなので、短い期間ではほとんど気付けませんが、何年というスパンで見ると、例えば「外装の塗装が少しくすんできた気がする」というように劣化が目に見えるようになります。
外装の劣化や内装のスレなどは、目に付く部分なので気にはなりますが、走行への支障は少ないです。その一方で、サスペンションなどの足まわりやエンジンまわりの消耗や劣化は、限界を超えると走行に支障をきたしてしまいます。
どの部分が多く消耗、劣化するかというのは使用状況によって異なりますが、足まわりやエンジンなど機能部分については“走行距離”がひとつの基準になります。
ブレーキパッドやエンジンオイル、回転部分のゴムブーツなど、消耗してコンディションを保つように作られている部分の部品、いわゆる消耗パーツは交換することで再び良い状態で使うことができるようになりますし、交換のコストも低く設定されています。
しかし、それ以外の部品や部分も、走行が増えることで消耗したり、劣化したりします。
それら消耗パーツ以外の部分は、耐久性や性能を高めるためにしっかり作られていることから、交換や修理のコストは高くなってしまいます。その消耗パーツ以外の部分の使用限界を超えた状態が“過走行”です。
過走行の車両は故障のリスクが高まるため、売却の際の査定額にも大きく影響します。
過走行の基準は?
過走行となる基準として言われているのは、トータルで10万㎞以上、年間では2万㎞以上という数値が一般的でしょう。
走行距離の平均値は年間で1万㎞と言われているので、それくらいならトータルで10万㎞か、それ以上の走行でも保つように設計されている場合がほとんどです。
しかし、年間で2万㎞を超えると、自動車メーカーが定める「シビアコンディション」という状態に該当します。
シビアコンディションというのは、自動車にとって厳しい使用状況という意味合いで、その状況では部品の消耗や劣化が通常よりも激しくなるため、場合によっては10万㎞を待たずに使用限界を迎える可能性もあります。
普通乗用車と軽自動車で過走行の基準は違う?
一般的には上記の、年間2万㎞、トータルで10万㎞という基準となっていますが、これは排気量や車のサイズなどで分けずに、普通乗用車全般で語られる基準です。そして、一説には、「軽自動車の場合は(普通乗用車の)8割くらい」という意見も聞かれます。
なぜ軽自動車は過走行の基準が短いのでしょうか? これはあくまでも一般的な傾向の話ですが、もっとも大きな要因は「製造コストが低い」ということのようです。
軽自動車と普通乗用車では、使用する部品の点数やサイズの違いも無視はできませんが、製造に掛かるコストを抑える努力が大きく注がれています。
もちろん、肝心な部分の耐久性は確保されていますが、コストに限界があるために、どうしても全体の耐久性で劣ってしまうのは否めません。
そのコストの違いを踏まえて軽のガイドラインとしたのが“8割”ということのようです。
一般的に過走行のガイドラインとして言われているのは上記の数値です。
しかし、元々の設計による違いもありますし、使用状況でも消耗や劣化の具合は大きく異なりますので、あくまでもひとつの基準として捉えたほうがいいでしょう。
ラフに扱われてメンテナンスをサボった普通乗用車より、きっちりメンテナンスされて丁寧に乗られた軽自動車の方がはるかに長持ちした、なんていう実例は多くあります。














コメント
コメントの使い方定期的なメンテナンスをすれば、の話ですけど、今のハイゼットは36万キロ走ってノントラブルだし、先代のハイゼットでは60万キロ走れました。ハイゼットエライ!
もっと走ってる人もいるのでは?
年間2万キロを超えたって、それで車が痛むわけじゃない。短期間に距離を乗る人は買い替えも早く、中にはオイル交換などをサボる人もいるから、中古車を買うときは見極め大事。
普通乗用車であるシエラをラインナップしているジムニーの場合,どうなのか興味があります。
普通車の寿命10万kmなんて、はるか昔に車の買い換えを促すために語られた都市伝説です。軽自動車にしても8万kmぽっちでダメになるモデルがあるなら挙げていただきたいところで。
今時10万km限界なんて、、、