ジムニー旋風にみる予想を越えたヒット車の理由


これぞ予想外のヒット? ハスラー誕生の意外な秘話

スズキ ハスラー(2014年-)/2018年7月販売台数:5556台

スズキの会長を務める鈴木修氏が、知り合った人から「私はスズキKei(1998年に発売されたSUV風の軽自動車)に乗っているが、乗り替える車がなくて困っている」と言われた。

普通の人なら聞き流すかも知れないが、鈴木修氏は開発の指示を出した。その結果、商品化されたのが、軽自動車のSUVとなるスズキハスラーだ。

発売は2014年1月だが、この時点の月販目標は5000台で、生産が受注に追い付かない。納期は最長で約10か月まで遅延した。今のジムニーに似た状況だ。

そこで生産ラインを増設し、2014年6月までの届け出台数は最大で約7900台だったが、同年7月には1万4000台を超えた。

人気の理由は、SUVの外観に、背の高い軽自動車の優れた実用性を組み合わせたことだ。2014年はSUVが急速に人気を高めた時期で、ホンダ ヴェゼル、日産 エクストレイル、トヨタ ハリアーなどが好調に売れていた。ハスラーの発売はタイムリーで、一気に人気車種となった。

外観は適度に野性的で可愛らしさも併せ持ち、インパネにはステッカーを貼れる処理も施した。遊び心を上手に表現して、嫌味を感じさせないことも魅力だ。

その一方で、車内の広さ、シートのサイズと着座姿勢、シートアレンジなどは先代ワゴンRと同じだから実用性も高い。価格がエアロパーツを備えた先代ワゴンRスティングレーと比べて割安だったことも、人気を得た秘訣だ。

初代CX-5が強豪ひしめくSUVでトップになれた理由

マツダ 初代CX-5(2012-2016年)/2012年累計販売台数:3万5434台(月平均:3221台)※登場は2012年2月

2012年2月に発売された初代CX-5は、全幅が1800mmを大幅に超えるSUVだ。本稿のほかの車種と違って、日本向けの商品ではない。

しかし、ヒット作になった。発売直後はSUVで販売1位になり、2013年3月には6000台以上を登録した。同じ月のデミオとほぼ同じ台数だった。

マツダ初代CX-5が好調に売れた背景には、複数の理由がある。まずは魂動デザインとSKYACTIV技術をフルに使った最初の車種だったことだ。今に通じる新世代商品群の第1弾だからインパクトも大きい。特に魂動デザインのカッコ良さは話題になった。

CX-5が人気急上昇中のSUVカテゴリーだったことも奏効した。現行アテンザは先代CX-5の9か月後に発売されたが、順序が逆だったら、CX-5、魂動デザイン、スカイアクティブ技術はここまで人気を得られなかった。

メカニズムでは、新開発されたクリーンディーゼルエンジンが人気を呼んだ。ディーゼルの実用回転域における高い駆動力と低燃費は、ボディが重く長距離移動の機会が多いSUVとは相性が良い。ディーゼルとの組み合わせも人気の理由だ。

価格も割安で、先代CX-5「25S」(4WD)は、先代フォレスター「2.0i-Lアイサイト」(4WD)、現行エクストレイル「20X」(4WD)などと同程度だった。

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