先日、TOYO TIREから軽ハイトワゴン専用タイヤとしてPROXES LuKⅡが登場! 雨の日における性能がさらに向上したという。では実際どれほどの効果がでているのか!
文:加茂 新/写真:TOYO TIRE
【画像ギャラリー】ホワイトリボン復権!? デリカミニに似合いすぎる新タイヤを隅々写真で!!!!(10枚)画像ギャラリー軽自動車の性能をひきあげる驚きの効果
PROXES LuKⅡ(エルユーケーツー)は上質さを目指した軽自動車専用、しかもスーパーハイトワゴン向けのタイヤ。これまでのTRANPATH LuKに代わるモデルチェンジ版として登場した。
これまでのLukはTRANPATHブランドだったが、LuKⅡはPROXESブランドにお引越し。その理由はより上質なプレミアムタイヤとして生まれ変わったからだという。
スペックとしてはウエット制動性能を12%向上。転がり抵抗は9%低減。全サイズ低燃費タイヤ&低車外音タイヤとなっている。
ウエットグリップ性能は先代のCから全サイズBにアップしているのが大きな要素。ウエットグリップ性能自体はコンパウンドによる影響が大きく、今回採用した低燃費コンパウンドがその性能アップに寄与している。
しかし、グリップ性能が向上すれば、転がり抵抗は基本的には下がっていく。そこでその両立を目指してアクティブポリマー、グリップポリマーなどとシリカを配合。このシリカ分散剤には一部にサステナブルな自然由来の炭素を含む素材を配合。
サステナブル素材を積極的に採用するTOYO TIREらしいアプローチである。
パターンは左右非対称で回転方向ではなくIN/OUT指定タイプ。OUT側ブロックを大きくしてハイトワゴンのふらつきを抑える狙いが見て取れる。特徴的な技術は3Dマルチサイプ。一部の溝が十字架状になっていて、ブロック端での接地圧の集中を避けて、トレッド面全体で均一に荷重を受け止める狙い。
フレキシブルテーパーも同様にトレッド面で均一に荷重を受けることが狙いで、ブロックのサイドを斜めに設計することで横力が掛かった際にも接地圧の局所的な集中を避けている。
比較試乗はダイハツ・タント。高速道路や街乗りを想定した直線&オーバルコースと、ウエット路面コースでLuKとLuKⅡを乗り比べた。
濡れた路面でも上質な走りを実現
まず、ドライ路面の直線&オーバルを走り出して感じたのは手応えの違い。明らかにLuKⅡはハンドルがどっしりとしている。いわゆるグリップ感が高い。ハンドルを切っていくと先代に比べてわずかに短い時間で向きが変わっていく。
コースのバンクはキツイほうが70km/h、ゆるいほうが100km/hで走行するが、どちらもそこそこのスピード感でのコーナリングとなる。その曲がっている最中にもLuKⅡはグリップ感が高く、安心感がある。その状態からハンドルを切り足してラインを簡単に変えていける。
先代モデルはその領域でもちろんなんの問題もないが、ややタイヤが潰れているようなイメージでハンドルを切ったり戻したりしたときの反応が薄い。
タイヤの剛性が上がっているような感じを受けたが、構造的に剛性はほとんど変わっていないという。トレッド面の荷重分布が均一化されたことで、タイヤ全体のグリップの余裕が生まれていることから、そういった印象を受けたと推測される。
人によっては空気圧が少し高めに感じたというほど剛性感が高まっているが、本当に空気圧を上げた時のようなコツコツとした振動を拾うようなことはない。
ウエット路面は常に散水された専用路面。こちらでも明らかに走り始めから手応えがある。不安なく曲がっていける。ブレーキングからハンドルを切っていくと当然スムーズに曲がっていくが、そのときの安心感が違う。
ちょっといじわるにわざとブレーキを当てずに、やや高めのスピードからハンドルを切るだけで曲がってみる。荷重コントロールもへったくれもないオバチャン走り的なイメージで走っても、切り始めからしっかりと反応して曲がっていく。先代モデルに比べて曲がり始める時の安心感が高い。
思い切りブレーキングしてから曲がろうとする高荷重域ではLuKⅡはここでもタイヤがしっかりと支えてくれている。先代はややタイヤが潰れすぎのような印象があるが、LuKⅡは荷重を支えつつストロークを残していて、さらに切り足してもタイヤのたわみと反力を使ってグイグイと曲がっていける。
総じて全体的な安心感が高い。運転技術に自信がない人や興味がない人ほど自然とLuKⅡは走りやすさを感じると思う。不安感なく、何事もなく、雨の日も急ブレーキも受け止めてくれる。加えてノイズは先代に比べてやや高音域がマイルドになった印象で静粛性もアップ。
普段乗りの軽ハイトワゴンの性能を上質にグレードアップするのに効果的なタイヤである。













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