こんな人は買うべきでない!? 目的とサイズで選ぶオススメSUV

 SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)は、1990年代に入ってから一般化し、今や世界的な一大ブームの真っ只中。昭和の時代はクロスカントリー4WDと呼ばれ、悪路を活躍の場とする特殊な4WDモデルというイメージが強かったのも今は昔だ。

 新型が話題のスズキ ジムニーやトヨタのランドクルーザーも、そんな悪路を得意とする“本格派”の代表格。一方、舗装路でも運転しやすい乗用車ベースのライトSUVも人気を集めている。

 特に昨今は、ブーム化に伴い、各社「SUVなら何でもよし」と言わんばかりに、続々とモデルを送り出していることもあり、その立ち位置や得意分野は一層多岐にわたるようになった。

 そこで本稿では、本格派とライトSUVに分けて、サイズ別のオススメ車を選出。「オススメだけれど、こんなユーザーは買うべきでない」という点もあわせて、自分に合ったSUV選びの参考にしてほしい。

文:片岡英明/写真:編集部


本格派SUVの推奨モデルと「買うべきでない」ユーザー

■本格派SUV【コンパクト】:スズキ ジムニー

ジムニー/全長×全幅×全高:3395×1475×1725mm、駆動方式:4WD、価格帯:145万8000-184万1400円

 本格派SUVとしては、コンパクトクラスだとジムニーか兄弟車のジムニーシエラがおすすめ。

 ラダーフレームと副変速機を備え、悪路の走破性能は文句なし。最新モデルはオンロード性能と快適性能も大きく向上した。長く付き合えるし、手放すときも値落ちが少ない。新型が登場したばかりで納車には時間がかかるが、いい買い物になるはずである。

 ただし、軸足は悪路の走破性に置いているから舗装路主体の走りなら他の車を選んだほうがいい。キャビンは前席優先だし、2ドアだから後席重視派にも不向きだ。広さや快適性を重視する人にはハスラーがいい。

■本格派SUV【ミドル】:スバル フォレスター、日産 エクストレイル

フォレスター/全長×全幅×全高:4625×1815×1715mm、駆動方式:4WD、価格帯:280万8000-309万9600円

 ミドルクラスは、日本車にはフレーム付き、副変速機付きのSUVはない。だが、モノコックボディ、電子制御式の4WDでも最新モデルの走破性能は高いレベルにある。

 トータル性能が高いオールラウンドプレイヤーは、スバルのフォレスターだ。最新モデルはヨーロッパ製SUVを凌駕する走りの実力を秘め、高速道路、山岳路でも余裕ある走りを見せる。自慢のXモードも2モードタイプに進化し、砂利道や深雪での走破性能を高めた。

 アイサイトに代表される安全装備の実力も一級だ。ハイブリッド車のe-BOXERもモーターの存在感を増すなど、いい仕上がりだが、それ以上に気持ちいい走りを見せるのは直噴の2.5Lモデルだ。

 ただし、2WDの設定はないし、ハイブリッド車でも燃費はそれなりだ。ムード派には向かない。

 オフロードでタフな走りを、というなら日産のエクストレイルがいい。道具として使い倒すことができ、アウトドアシーンにも似合う。電子制御4WDは、悪路や雪道で非凡な実力を見せる。ガソリン車には3列シート仕様も設定した。また、自動運転技術のプロパイロットも設定され、魅力を増している。

 が、一世代前のSUVの運転感覚だ。基本設計の古さが顔を出す場面もあるから、ハンドリングに強いこだわりを持つ人には向かない。

■本格派SUV【ラージ】:トヨタ ランドクルーザー

ランドクルーザープラド/全長×全幅×全高:4825×1885×1835mm、駆動方式:4WD、価格帯:353万8080-536万3280円

 フルサイズの本格派SUVは、世界が認めるトヨタのランドクルーザーをおすすめしたい。フラッグシップの200系に目がいくが、その下のポジションを受け持つプラドでも走破性能は一級だ。

 特にクロールコントロールやエアサスなど、悪路走破用の電子制御デバイスを装備した「TZ-G」は驚異的な走破性能を誇る。日本では200系より機動性が高く、扱いやすい。いざというときには7人が乗れ、少人数のときは荷物もたくさん積める。

 2.8Lのディーゼルターボも余裕たっぷりだ。ガソリン車は上質なV6エンジンを整理し、これに代わって送り出された2.7Lの4気筒エンジンは前述のディーゼルと比べると少し余裕がない。

 弱点は、乗用車をベースとしたSUVと比べると運転のしやすさや高速道路での快適性に難があることである。日常の取り回し性や乗降性も今一歩だ。

ライトSUVの推奨モデルと「買うべきでない」ユーザー

 ライトSUVは、オフロードよりも高速道路やワインディングロード、日常域での使い勝手と気持ちいい走りを重視して選んだほうが長く付き合えるだろう。

■ライトSUV【コンパクト】:ホンダ ヴェゼル

ヴェゼル/全長×全幅×全高:4330×1770×1605mm、駆動方式:FF/4WD、価格帯:207万5000-292万6000円

 コンパクトサイズのクロスオーバーSUVは、ホンダのヴェゼルが万能選手だ。フィットがベースだからキャビンは広く、後席でも快適である。ラゲッジルームも広く、荷物を積みやすい。

 主役を務める1.5Lの直噴エンジンにモーターと7速デュアルクラッチDCTを組み合わせたハイブリッド車は活気ある走りを見せ、実用燃費も悪くない。リアルタイム4WDも後輪へのトルク配分を変えたから悪路でも走破性が向上している。先進安全装備も充実した。

 トヨタのC-HRもトータル性能は高いが、こちらは前席優先の設計だ。バランスのとれたヴェゼルだが、1.5Lのガソリンエンジンは洗練度が今一歩にとどまる。このクラスでは大柄だから駐車場が狭い人にも不向きだ。

■ライトSUV【ミドル~ラージ】:マツダ CX-5、CX-8

CX-5/全長×全幅×全高:4545×1840×1690mm、駆動方式:FF/4WD、価格帯:249万4800-321万3000(ガソリン車)、280万8000-352万6200(ディーゼル車)

 ミドルクラスは毎年のように商品性を高めているマツダのCX-5をイチ押しとする。存在感が薄かったガソリン車にはターボモデルが加わった。

 だが、4Lガソリンエンジン級の分厚いトルクを誇るディーゼルターボのほうが魅力的だ。気持ちいい走りを実現し、都会の景色にも似合う。

 また、兄貴分のCX-8なら7人まで乗ることができる。2WDモデルの乗り味は大人っぽいし、快適性も1ランク上だ。

 ただし、取り回し性に難があり、3列目もミニバンほど快適ではない。また、ATは6速だから燃費の点でも物足りなく感じる。

■ライトSUV【プレミアム】:トヨタ ハリアー、三菱 アウトランダーPHEV

ハリアー/全長×全幅×全高:4725×1835×1690mm、駆動方式:FF/4WD、価格帯:294万9480-460万4040円

 プレミアムクラスは、舗装路での快適性を重視したハリアーが無難なチョイスだ。キャビンもラグジュアリームード満点で、風格を感じさせる。

 2Lのターボエンジン搭載車にはパフォーマンスダンパーを採用し、スポーティ度を高めた。ハイブリッド車は群を抜く燃費が自慢だ。

 だが、アウトドア派は4WD性能やパッケージに物足りなさを感じるだろう。ルックス重視だから四方の見切りなど、運転しやすさにこだわる人にも向かない。

 ミドルクラスとも重なるが、アウトランダーPHEVはEV感覚の新鮮なSUVとしておすすめできる。

 充電してEV走行の距離を延ばせるプラグイン・ハイブリッド車で、最新モデルはモーター走行の領域を広げるとともにS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)の制御をさらに緻密化した。

 舵の動きはクイックで、軽やかにクルマが向きを変える。雪道でのコントロール性も素晴らしい。うまく使えば燃料代を大幅に節約することが可能だ。

 が、派手さはないし、エンジンを使ったときの燃費はそれなりのレベルにとどまる。だからファッション性にこだわり、高速走行を主体とする人には不向きだ。

◆  ◆  ◆

 SUVは、ユーザーが使う日常のシーンに合っていないと宝の持ち腐れになる。セダン代わりに決められた場所でSUVを使いたいと言うなら4WDでなく、2WDでもいいだろう。

 悪路や雪道を走るときの安心感や余裕を重視するなら、デフロックやスノーモード付きのSUVを選んだほうがいい。

 さらに過酷なステージを走るというなら、ハイ/ロー切り替え式の副変速機を備えた本格派のSUVがおすすめだ。

最新号

ベストカー最新号

総勢40台超! 誌上モーターショー2018 ベストカー11月10日号

 2018年10月10日、「ベストカー」最新号(11/10号)が発売。今号は誌上モーターショー2018と題し、イタルデザインが手がけ日本初公開となった「GT-R 50 by italdesign」の生写真、そして国産8メーカーの今後世に出る…

カタログ