■プリウスα(2011年~)がモデルチェンジしないわけ
プリウスαは、先代プリウスをベースに開発されたワゴン風のモデルだ。全長とホイールベース(前輪と後輪の間隔)が少し長く、荷室に3列目の補助席を備えた7人乗りもある。
発売されたのは2011年で、2015年にはプリウスが現行型にフルモデルチェンジされたから、プリウスαは古い印象になって売れ行きを下げた。
プラットフォームは今では旧世代だから、操舵感が少し曖昧だ。それでも販売を続ける理由は、広い後席や荷室などの実用性が、今でも相応に通用するからだ。
売れ行きも大幅には落ち込まず、1か月平均で1000台少々は登録されている。同じトヨタのエスティマやプレミオと同程度か、少し上まわるため、地味なクルマでも廃止されない。
商品のテコ入れも行われ、緊急自動ブレーキは改良を受けて、トヨタセーフティセンスPに進化した。従って歩行者の検知も可能とする。
運転感覚には古さを感じるが、長いホイールベースとバネ上制振制御(モーターの駆動力を微妙に増減させて車体の水平を保つ機能)で、乗り心地はおおむね快適だ。
今でも市場から認知されているため、生産を続けている。
■レクサスCT(2011年~)は入門車種として存続
レクサスCT200hは、トヨタが展開する上級車ブランド、レクサスに属するミドルサイズのハッチバックだ。2011年に発売されたから7年以上を経過する。
プラットフォームは先代プリウスやオーリスと共通だが、開発者は「各部の造り込みを考えると、レクサスHS250hのショートホイールベース版と考えて欲しい」と述べた。
パワートレーンは1.8Lエンジンをベースにしたハイブリッドだから、先代プリウスがベースになる。JC08モード燃費は、売れ筋グレードが26.6km/Lだ。
スポーティ感覚を重視して開発され、操舵感は適度に機敏で比較的良く曲がるが、後輪の接地性はいまひとつだ。
レクサスとしては乗り心地も不満で、登坂路ではハイブリッドながらも4気筒エンジン特有のノイズが耳障りに感じる。
価格は割安とはいえず、売れ筋になるバージョンCは399万円だ。緊急自動ブレーキは歩行者も検知できるが、全般的に設計の古さが散見されて選ぶ価値が薄れた。
1か月の登録台数は450台前後になる。それでも生産を続ける理由は、レクサスの中では、今でも貴重な300万円台で買える車種になるからだ。
レクサスのLS/GS/RXなどを使う世帯が、セカンドカーを求めた時も、CT200hのサイズと価格、燃費はセールスマンにとって推奨しやすい。
レクサスブランドに興味を持ったユーザーが、最初に購入するエントリーカーにも適する。このほか欧州などの海外で売られている事情もある。
そしてレクサスは数多く売られるブランドではなく、販売店舗数も全国に約170拠点と少ない。トヨタの4系列を合計すれば約4900拠点だから、レクサスの販売網は3%程度だ。
こうなると1か月の登録台数が450台前後でも、CT200hは大切な選択肢になる。これらの事情が相まって、レクサスCT200hは今でも販売を続けている。
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