まるで電動タルガトップ!? フェラーリ296GTSが日本上陸

■タルガトップの再来! 俊敏な電動トップ

 フェラーリ296GTSの電動トップは、SF90スパイダーや812GTSなどに採用されるタルガトップスタイルのコンパクトなリトラクタブルハードトップであることが大きな特徴だ。このため、キャビン後方のエンジンフードが開閉し、そのなかにルーフ部が180度回転し、吸い込まれるように収納される機構を持つ。

 その開閉時間は、わずか14秒。最高45km/hまでは走行中も作動可能なので、信号待ちや低速走行時ならば、いつでもオープンエアが楽しめるというわけだ。

シルエットは、クーペに近いものを実現。ルーフの開閉時間は、わずか14秒と俊敏だ
シルエットは、クーペに近いものを実現。ルーフの開閉時間は、わずか14秒と俊敏だ

 オープン化のために、ベースとなった296GTBのシャシーは、再設計が施され、最適化。ねじれ剛性と曲げ剛性を従来のオープンモデルよりも、大幅に引き上げられており、具体的な数値ではねじれ剛性が50%、曲げ剛性が8%それぞれ高められているという。まさにオープンの心地よさとハードトップの296GTBに迫る存在となるべく、開発されたオープンモデルなのだ。

■サーキット指向のパッケージも用意

 296GTSの走りへの情熱を感じさせるのが、「Assetto Fiorano」パッケージの設定だ。これは296GTSのキャラクターをよりサーキット指向へとシフトするもので、大幅な軽量化に加え、専用エアロパーツが与えられる。

 主な装備としては、サーキット走行に最適化されたショックアブソーバーや10kgのダウンフォースを上乗せできるフロントバンパー用カーボンファイバー製ハイダウンフォースパーツ、軽量素材を用いたインテリアなどが挙げられる。

 これらの採用で、8kgの軽量化を実現。さらにオプションでミシュランパイロットスポーツカップ2Rの装着も可能。同パッケージを選択すると、フェラーリ250ルマンをモチーフとした専用カラーリングを選ぶこともでき、よりレーシーなスタイルに仕上げることできる。

サーキット指向を強めたAssetto Fioranoパッケージも用意
サーキット指向を強めたAssetto Fioranoパッケージも用意

 フェラーリの新たな挑戦となるプラグインハイブリッドモデルのなかで、エントリーに位置するV6ターボの296GTBと296GTSは、最新モデルのなかで環境性能に優れるだけでなく、よりコンパクトなボディを武器に高い運動性能を備える点からも、今後のフェラーリラインナップのなかで重要な役目を担っていることが感じられる。搭載されるV6の電動パワートレーンは、今後の商品戦略の中でも、より存在感を強めてくことだろう。

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