■性格と生活にフィットする
●森口将之(モータージャーナリスト)/2002年式ルノーアヴァンタイム
アヴァンタイムを買った理由は、それが、フランスのスポーツカーメーカー、マトラの最後のモデルということが大きい。
数あるフレンチブランドのなかでも独創と先鋭が際立っていて、F1やル・マン24時間レースで優勝した強さも併せ持つ。昔、ミドシップ3シーターのムレーナを所有した自分にとって、2003年の自動車事業撤退は衝撃で、急いでお金を貯めて翌年手に入れた。
ではなぜ今も乗り続けているかというと、2ドアのミニバンというほかにはないパッケージが便利で快適だから。
後席が広いクルマはいくらでもあるが、前席の広さでは上をいくものがない。しかも全面ガラス張り。これが極上の心地よさを生み出す。
しかもクーペなのに積める。ダイニングテーブルやソファを運んだこともあるし、2匹の飼い猫とともに家族旅行というシーンでもこのスペースは重宝した。
現代建築を思わせるデザインもリラックスできて好み。いろんな意味で自分の性格と生活にフィットするクルマなんだと、今では思っている。
■デカイクルマが嫌いで子供ウケするクルマが好き!
●小沢コージ(モータージャーナリスト)/2005年式ミニコンバーチブル
あえてミもフタもない言い方をするとお金がありません。職業柄毎日いいクルマに乗りますし、理想的にはポルシェだのフェラーリだのBMWだとちょくちょく乗り換えたいとこですがとっても無理。今の輸入車で当たり前の500万円なんて払えません。
ってか自動運転技術と燃費と一部ハイテク以外、今のクルマで絶対的に欲しい部分は見つかりません。正直13年前のミニで充分楽しくて可愛い。特に自分はデカいクルマが嫌いで子どもウケするクルマが好きなのでミニはサイコー。
最新型ミニは、特にエンジンはリアルBMWそのもので超キモチいいし、このエンジンだけ欲しい! とか一瞬思いますが、追金200万円以上払うほどには。職業が変わって月収200万円以上になったら新車に買い換えたいです。
ってか今100万円あれば中古のポルシェボクスターからデカいミニバンまでなんでも買えます。日本は低価格良質中古車の天国。新車買ってる場合じゃないって!(笑)。
■フェラーリは「30年落ちくらい」がちょうどいい
●清水草一(モータージャーナリスト)/1987年式フェラーリ328GTS
私はこれまで11台の中古フェラーリ様に乗らせていただきましたが、どのモデルも、所有当時は「地上最高!!」と思っておりました。今乗ってる328GTSの前は、458イタリアでした。
それはもう、UFOのように曲がってロケットのように加速しましたよ。異次元を見せてくださいました。デザインも最高。当時は458イタリア崇拝を進めておりました。
それが一転、今は328。1987年式なので、31歳の熟女ですが、今の私にとっては、これがベストです。価値観はその時々によってメチャメチャ変わるものなのですね~。
前提として、もう速いクルマはいいや……ってのがあります。速いクルマは、ある程度速く走らないと面白くないので、年齢を重ねるごとに疲れて楽しめなくなってきます。速いのに乗れたからこそいえる部分もありますが。
328は速くないです。全開にすりゃそんなに遅くはないくらいの感じで、フツーに流してるだけで気持ちいいんです。街行く人々の目もとってもあったかい! 458だと「ケッ」と思われておしまいでしたが、328だと、恋人を見るような目で見てくれます。自分も周囲もホッコリするんですよ。
56歳の今の私には、「フェラーリは30年落ちくらいがちょうどいい」と断言します。
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