【最新マフラー事情】マフラーを交換するとこんな幸せが待っている!!

■そもそも排気システムの構造とは?

そもそもエンジンから排出された排気ガスはどのようにしてマフラーの外に出るのか? 各部分に役割があるので、なるべく簡潔に説明していこう。

まずエグゾーストマニフォールドだが、ここから4気筒なら4つ、6気筒なら6つの気筒の排気ガスを集合させて、ターボ車ならタービンへ、NA車ならキャタライザーへ送り込む役割を持っている。

ターボ車の場合はタービンから排出される排気をキャタライザーまで導くものがフロントパイプである。フロントパイプの排気の流れをスムーズにすることで、ターボのレスポンスが向上する。

キャタライザーは排気ガスの浄化装置、フィルターである。エンジンから排出された排気ガスをキャタライザーに導くことで、CO、HC、NOxなどの有害な成分をろ過し、低害な成分に変換する役割を持っている。

メインパイプはパイプ径やレイアウトで排気抵抗を少なくすることでエンジンの特性が変化する。一般的にパイプ径が太いほど、排気抵抗が少なくなり、排気効率は上がるが太すぎると低回転でのトルクが減少し、逆に細すぎると低回転でのトルクは向上するが高回転での排気抵抗が多くなり、出力向上はみられない。

サイレンサーはエンジンからの排気ガスを直接大気を放出したのでは大きな騒音をまき散らすことになるのでサイレンサーによって排気音を消音し、エグゾーストサウンドをチューニングする。

■マフラーを交換すると、こんないいことがある!

排気システムを理解してもらえただろうか? 次にマフラー交換をすれば、どんないいことがあるのか、説明しておこう。

排気効率を考えれば、トータルで排気系をすべて見直すのが最もいい方法だが、キャタライザーより、後ろのパーツを交換するだけでも排気効率はアップする。

排気効率がアップするイコール、パワーアップにつながる。これがマフラー交換最大のメリットだろう。

ただし、単にパイプ径を太くしただけでは、かえって排気が抜けすぎて、中低速域ではスカスカになるものがあるので注意が必要。

次にエグゾーストノート。サウンドを決めるのは主にサイレンサーだが、形状や吸音材の量など、いくつかあるので、マフラーを替えたいと思ったら、お気に入りの音を探してみよう。最近ではマフラーメーカーのホームページでエグゾーストノートを紹介しているのでぜひ聞いてほしい。

素材が自由に選べるというのもメリットだ。純正マフラーはコストの関係でスチール製が多いが、スチールは加工しやすい反面、重くて錆びやすいというウィークポイント。現在ではステンレスマフラーを採用する車種が多くなっているが、スチール製の場合、交換するメリットは大きい。

アフターパーツのマフラーには、錆に強く軽量なステンレスやチタニウムなどがある。特にチタニウムは超軽量・高強度で、見た目も美しいのでワンランク上を狙いたい人はぜひ。

最後にリアビューの印象をスポーティに変えることもメリットのひとつ。大径や楕円、デュアルなどざまざまな形状があるので、自分好みの形状を選ぶのもまた楽しい。

■ハイブリッド車、ディーゼル車の排気系は複雑・多機能化!

ハイブリッド車だから純正マフラーからの交換ができない訳ではなく、マフラーメーカーによってはサウンドやスタイルの向上だけでなく、エンジンのトルクアップにより燃費向上を謳っているところもある。

しかしハイブリッド車を選ぶオーナーは走りの楽しさよりも、まず燃費を重視しているだけに、カスタムやパフォーマンスアップにお金をかけるユーザーは少ない。プリウスでカスタムを楽しむオーナーは非常に少数派なのだ。

それにハイブリッド車の排気系には、ガソリン車にはない機能が盛り込まれている。プリウスやアコードハイブリッド、アクアなどのマフラーには、触媒の後に排気ガスから熱を回収する排熱回収装置が組み込まれている(下図はアクアの寒冷地仕様のオプションに組み込まれている排熱回収器)。

アクアの排気熱回収器はエンジンの排気ガスの熱を冷却水に回収する装置。排気熱回収器が装備されている寒冷地仕様車は標準仕様車よりも早く冷却水を温めることができる。クルマの暖房は温まったエンジン冷却水の熱を利用しているため、排気熱回収器を使って素早く冷却水を温めることができれば暖房の効率が向上する。さらにエンジンが冷えている始動時に排気熱回収器で温められた冷却水によって逆にエンジンを温めることができるためエンジン暖機運転を早く完了する効果もある。暖機運転時間を短縮できれば、その時間使うはずだったガソリンを使わなくてすむため、燃費が向上する

従来、マフラーが外気で冷却されることによって捨てていた熱を利用して、エンジンの冷却水を温めているのだ。これによってEVモードで走行することの多いハイブリッドでも早く暖機走行を終わらせて燃費を向上させているのである。

ボルグワーナーによれば、排熱回収でハイブリッド車は最大で8.5%も燃費を改善できるというデータもある。

次ページは : ■ディーゼル車の排気系も複雑化している

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