国土交通省が「トラガール促進プロジェクト」を立ち上げたのは、2014年9月のこと。
女性トラックドライバーを指す「トラガール」という呼称が一般に普及しているかどうかは微妙なところだと思いますが、肝心のトラガールが増えているかどうかも実は微妙なところ。
トラックドライバー不足が深刻化している運送業界にあって、女性の活用を目指すことは至極当然のことですが、笛吹けど踊らず、未だ女性ドライバーの比率が2%台で推移していると聞くと、その理由がたくさん思い浮かんで、「やっぱりな~」とため息をつくばかりなのであります。
そんな中、若さの特権でしょうか、ここは正攻法で女性にトラックドライバーという職業の魅力をアピールし、就活の選択肢の一つにしてもらおうと企画する学生さんたちが現れました。
9月17日(土)には、無料で参加できるオンラインセミナーも開催するそうです。さて、一体どんなセミナーなんでしょうか?
文/トラックマガジン「フルロード」編集部 イラスト/国土交通省トラガール促進プロジェクトより
【画像ギャラリー】トラガールとしてトラック業界で働くメリット(5枚)画像ギャラリートラックドライバー不足の背景に迫るジェンダー物流班
そのセミナーを企画したのは日本大学商学部秋川ゼミナール3年のジェンダー物流班。秋川ゼミナールは各チームが物流について研究を行なっているそうで、そのうちジェンダー物流班が選んだテーマがトラックドライバー不足の問題だ。
トラックドライバー不足の背景にはジェンダー問題も絡んでいると考えたのがきっかけで、女性にもできる仕事でもあるにも関わらず、未だ女性が進出できていない現状を変え、女性も活躍できる業界にしたいというのがジェンダー物流班の狙いである。
ただ、女性トラックドライバーの雇用促進の研究をしていく過程で、トラックドライバーに対する女性のイメージがとても悪く、そのイメージと職業の実態が大きくかけ離れていることに気づいたという。
そこで女性トラックドライバーを増やすためには、トラックドライバーの魅力を伝え、女性が抱いているバッドイメージを改善する必要があると認識。
女性向けにトラックドライバーの魅力をアピールするセミナーを行なうことで、男性社会とされている業界に女性が入っていくきっかけになってほしいというのが今回のセミナーの狙いである。
ひかり物流とのコラボでセミナーを実施
今回の「女性向けトラックドライバーセミナー」に協力するのは、大阪府堺市に本社を置くひかり物流株式会社(戸川一秋代表)だ。
ひかり物流は、関西一円をテリトリーにしており、スーパー、コンビニ、ドラッグストアなどのルート配送が主な業務だ。従業員数は64名で、うち11名が女性だという。
女性ドライバーの業務は大阪府下の学校給食のルード配送がメインだ。仕事と子育てを両立させるために提携託児所があり、子供の病気や学校行事などで急な休みを取っても対応できる独自の配送担当システムを敷くなど、女性が働きやすい職場を目指している。
こういった女性の雇用をアピールしている企業にインタビューしたいと思い、ジェンダー物流班がコンタクトを取ったところ快諾してもらい、以来さまざまな研究において大いに協力してもらっているという。
9月17日のセミナーでは、ジェンダー物流班が進行を行ない、ひかり物流の戸川社長をはじめ社員の人たちに登壇してもらい、実際に働いている中で感じるトラックドライバーという職業の魅力や女性ならではの体験談を語ったもらう予定になっている。
セミナーの対象は女性をメインターゲットしているが、研究の一環で行なっているので、有効性や実現可能性など企業関係者の意見も聞きたいとの意向もあり、数社の運送会社に出席の問い合わせをしているという。
Zoomによるオンラインセミナーで、もちろん参加費は無料。関心のある人は下記のにあるQRコードから申し込みができます。