カーゴ系架装メーカー最大手の日本フルハーフの看板商品といえば「大型ウイング」だが、これからの時代にふさわしいウイングとして、このほど8年ぶりに生まれ変わった。
トラックボディにもCO2排出量削減が求められる時代にあって、日本フルハーフのウイングはどう変わったのか、多岐にわたるその変更点を見てみよう。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部 写真/日本フルハーブ
【画像ギャラリー】日本フルハーフの新しい大型ウイングをギャラリーでチェック!(10枚)画像ギャラリー空気抵抗の削減と軽量化が図られた新型ウイング
側方開閉式のウイングボディは、フォークリフトなどによる側方荷役に対応し、荷役作業の効率化・省力化に大きく貢献するもの。なかでも大型ウイングは日本フルハーフの主力商品だ。
8年ぶりにモデルチェンジし、9月29日より発売された大型ウイングは、「2025年新燃費基準改正」「物流の2024年問題」「燃料価格高騰」などを背景に、これからの時代にふさわしいウイングボディの在り方を模索して開発されたもの。
これらに対処するため、燃費改善、積載量アップ、安全な荷役作業をコンセプトにしている。
その特徴は、まずボディの軽量化による積載量アップで、ボディ重量は最大100kgの軽量化を達成(同社比)。
フロントフレーム、リアフレームを徹底的な見直しを行ない軽量化を図ったほか、フロアリングとして竹ラミネートt19を採用。
ちなみに竹床材は、一般的な南洋材のアビトンに比べ約10%の軽量化が図られ、さらに森林伐採による環境への影響も少ないという。
ボディの空気抵抗の削減による燃費の低減も新型ウイングの大きな特徴で、空気抵抗削減を達成している。
これは、リアヘッダーおよびリアポストの段差を解消するため傾斜角形状を採用したこと、空気抵抗を削減するヘッダーリアフラップ、ポストリアフラップをオプション採用したことなどが効果を発揮。
さらに空気抵抗の少ないフロントおよびリアの樹脂フェンダーの採用もあげられる。
荷役作業の安全性向上やウイングの剛性アップも
また最近、一向に減らない荷役作業中の事故が問題になっているが、新型ウイングではこの問題にも対処している。
荷台に昇降しやすい足掛けステップおよびアシストグリップ (サイドは標準、リアはオプション)の採用、リアの引き出し式階段ステップ(オプション)、アシストルームランプなどを採用している。
また、ウイングボディの床やルーフの剛性をアップしたほか、ウイング開閉用作動油漏れ対策として油圧ホース配策改善、ウイングサイドのロアガスケットを新形状に改良し水密性を向上。
さらにリヤステップの改良によりデパーチャアングル改善とボディの軽量化に寄与、リアドアバンパーの取り付け位置変更によりドアホールドバック使用時の安定性向上、デザイン性の高いスタイリッシュなアオリ受けゴムの採用、SUSサイドレールにもマッチした見栄えのいい樹脂プレートサイドの採用など、きめ細かい改良・改善を行なっている。
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