インサイトは2度目の“復活” なぜ同じ車名使う? 車名復活の理由と背景

違うジャンルで車名復活を果たした例は?

2017年に発売された三菱のSUV、エクリプスクロス。三菱はかつて北米向けのクーペを「エクリプス」の車名で販売していた

 一方で、以前と異なるジャンル・コンセプトのクルマに、かつて存在した車名を活用して復活させているパターンもある。

■三菱 エクリプス→エクリプスクロス

 初代エクリプスは、今でも米国では一定の需要がある比較的手軽な2ドアクーペとして、日本では1990年に登場した。

 1995年登場の2代目モデル、日本にはオープンモデルが2004年に導入された3代目モデルともに米国製で、2005年登場の4代目モデルを最後に2012年に一度絶版となった。

 2018年に復活したエクリプスクロスはコンパクトSUVではあるが、クーペルックを持つ点で4代目までのエクリプスと共通することもあり、エクリプスの名を引き継いだ。エクリプスクロスは三菱らしい堅実なクルマで、今後はPHEVの追加なども期待される。

■三菱 ミラージュ

 ミラージュは1978年の初代モデル登場以来、当時のゴルフやカローラのライバルとして本来の実用車からモータースポーツのベース車両まで、幅広い層に愛されたモデルだったが、1995年登場の5代目モデルを最後に2000年で一度絶版となった。

 その後、2012年に三菱が現在のマーチクラスの小型車セグメントへモデルを投入する際に、「ミラージュ」の名が復活した。

なかには違う乗り物で車名復活を果たした例も!

“ハスラー”の愛称で親しまれたスズキの二輪、TSシリーズ(左)。その車名を活用する形となったのが軽自動車のハスラーだ

 また、なかには違う乗りもので車名が復活するパターンもある。これは二輪と四輪をともに作っているホンダとスズキに多い。

■ホンダ ジェイド

 ジェイドはもともと250ccエンジン搭載のネイキッドに分類されるバイクで1991年に登場し、1996年にホーネットを後継車にする形で姿を消した。

 ジェイドが四輪車の車名として復活したのは2013年のことで、まず中国向けが登場。日本でも2015年に登場したが、価格の高さや3列目の狭さなどを理由に販売は低迷。

 2018年のマイナーチェンジで価格を下げた5人乗りの2列シート車を追加するなどのテコ入れを行い、販売も回復しつつある。

■スズキ ハスラー

 ハスラーは、1969年から2000年頃までスズキでオフロードバイクに使われた車名だった。四輪では2013年に登場した軽クロスオーバーに「ハスラーの名前が似合う」ということもあり、命名され復活。

 “クルマのハスラー”はスタイルの良さや多用途に使える便利さを理由に、特に発売当初は長い納車待ちになるほどの人気車となり、現在も根強い人気を保っている。

◆  ◆  ◆

 車名の復活は、「名前や伝統を大切にしない」とか「継続性がない」という捉え方ができる反面、「あの名前がまた!」という好意的な捉え方もできる。

 それが本当にいいことなのか、悪いことなのか。ユーザーからの反響や人気が、その答えとなるだろう。

【主な車名の復活例】

・トヨタ:スープラ、RAV4
・日産:シーマ、クリッパー
・ホンダ:インサイト、ジェイド(四輪として)、NSX、インテグラ(二輪として)、CR-V、バモス、ライフ、Z、クロスロード
・三菱:エクリプス(クロス)、RVR、コルト、ギャラン、トッポ、プラウディア、ディグニティ
・スズキ:ハスラー(四輪として)

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

S-FR開発プロジェクトが再始動! 土屋圭市さんがトヨタのネオクラを乗りつくす! GWのお得情報満載【ベストカー5月26日号】

不死鳥のごとく蘇る! トヨタS-FR開発計画は再開していた! ドリキンこそレジェンドの土屋圭市さんがトヨタのネオクラシックを一気試乗! GWをより楽しく過ごす情報も満載なベストカー5月26日号、堂々発売中!