トヨタとKINTOは2022年12月7日、新しいサブスクリプションサービスの「KINTO Unlimited」を立ち上げ、新型プリウスの一部グレードでの提供を始める。同サービスは従来までのサブスクリプションであるKINTO ONEをベースに、新たにクルマ自体の「進化」と「見守り」を通じてその価値を維持し、その分をサブスクの月額利用料の引き下げにあらかじめ充てるようにするのだという。その内容について紹介しよう。
本文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ、KINTO
【画像ギャラリー】新型プリウスの一部グレードからスタートする「KINTO Unlimited」とは?(25枚)画像ギャラリー■新たにアップグレードとコネクティッドのふたつをプラス!
まず、サービスの内容を紹介する前にKINTOの動向についてみていきたい。従来までの「KINTO ONE」は2019年7月から全国サービスを開始し、同年12月末まで約1200件、翌2020年12月末には約1万2000件、2021年12月末に約3万件、そして2022年は11月末現在で約5万2000件と右肩上がりで申し込み数が増えている。
2022年は今回のKINTO Unlimitedの前身となるKINTO FACTORYが1月に始まり、4月にはVintage Club by KINTO、5月には新型EVのbZ4X、7月には中古車などさまざまな試みを始めており、数字を伸ばしてきた。
今回、新たなサービスとして始めるKINTO Unlimitedは、保険や税金などの諸経費を月額利用料に含めるKINTO ONEをベースに、「進化」(アップグレード)と「見守り」(コネクティッド)のふたつの付加価値を加えたものだ。
これによってユーザーが、サービス契約時から利用を終えて返却するまでの間に下がっていくクルマの価値を維持するための独自の仕組みを基盤とし、価値を維持する分をサブスクの月額利用料の引き下げにあらかじめ充てるとしている。
■新型プリウスの一部グレードが第1弾としてスタート
今回、このKINTO Unlimitedは間もなく発売される新型プリウスの一部グレードから始まり、ユーザーからの反響次第でほかの車種への展開も考えるという。その内容は次のようなものだ。
まず、ひとつ目の「進化」(=アップグレード)について。OTA(Over The Air)を通じたソフトウェアの更新により、衝突被害軽減ブレーキを含めたToyota Safety Senseをその都度、最新のものに進化させていく。費用についてはサブスクでの月額利用料に含まれるため、ユーザーの追加負担はない。これはトヨタ初の試み。
続いてハードウェアのアップデートについて。こちらはユーザーが契約したクルマにあらかじめ「アップグレードレディ設計」を施しているため、ユーザーニーズに合わせたハードの装備や機能の後付けが可能になるという。
このアップグレードレディ設計は配線の調整やセンサーの取り付けなどといったアップグレードのために必要な施工作業の大部分をクルマ側にあらかじめ織り込んでおくことで実作業の簡素化を可能とさせる設計。例えば、ブラインドスポットモニターの場合は従来13時間かかった作業時間が3時間に短縮できるという。これもトヨタ初の試みとなり、アップデートを前提にした開発がされていることは極めて異例だ。
ハードのアップデートは2023年年央から始まり、ブラインドスポットモニターやパノラミックビューモニター、ステアリングヒーターなどからラインナップされるという。今後登場予定の装備や機能などもその都度つけられるようにアイテムは拡充されていく。この部分についての費用は一括払い、もしくはサブスクでの月額使用料への加算のふたつから選べるという。
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