■走行実証の具体的な中身と北米での燃料電池大型トラック開発
トヨタと日野の燃料電池大型トラックの開発は、試験車両によるテストコース走行ののち、22年春頃に走行実証をスタートする予定。同走行実証の走行ルートには一般道も含まれる。
その内訳は以下の通り。まず1つ目はアサヒグループとNLJが共同で実施。アサヒビール茨城工場でビールや清涼飲料、同平和島配送センターで洋酒やワインなどを積載。NLJ相模原センターで荷降ろしし、関西からの荷物を引き取って茨城工場に戻る。
2つ目は西濃運輸東京支店から相模原支店・小田原支店への拠点間輸送、3つ目はヤマト運輸羽田クロノゲートベースと群馬ベース間での宅配便等の拠点間輸送で、4つ目は愛知県内のトヨタの各工場とトヨタ飛鳥物流センターの拠点間での部品輸送となっている。
ZEV規制の商用車への適用拡大の動きとトヨタ/日野の新たなFCVトラック
米国カリフォルニア州は20年6月、州内で販売される自動車に対し一定の比率で排出ガスを出さないBEVやFCVであることを義務付けるZEV(ゼロエミッションビークル)規制の対象を商用車に拡大するとともに、最終的に2045年に中大型トラックの全車をZEV化する指針を発表。
これに対して連邦政府の反発などさまざまな動きが続いているが、アメリカの大型トラックがZEVに向かうことが確認されたことは注目だ。
そんななか、トヨタと日野は北米市場向けに燃料電池大型トラックの開発に共同で取り組むと発表。今年8月には、日本より一足先にプロトタイプ(クラス8セミトラクタ)を発表した。
同車両は、日野が北米に投入している新型「HINO XLシリーズ」のシャシーをベースに、トヨタの燃料電池技術を組み合わせたもの。なお、日野は上記FCVトラクタとは別にクラス4~8のBEVトラックも開発予定。22年より実証実験を開始し、24年には量産開始を見込んでおり注目だ。
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